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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 1, 2021
Vol. 384 No. 13
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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食道癌に対する術後補助療法としてのニボルマブ
Adjuvant Nivolumab in Esophageal Cancer食道癌または食道胃接合部癌を切除した患者の無病生存期間は術後補助化学療法では改善されていない.この試験では,術前化学放射線療法と切除術を施行後に残存病変が認められた患者が,ニボルマブ群とプラセボ群に無作為に割り付けられた.ニボルマブは,無病生存期間の中央値を 11.0 ヵ月から 22.4 ヵ月へと,2 倍に延長した.
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肺動脈性肺高血圧症に対するソタテルセプト
Sotatercept for Pulmonary Arterial Hypertension肺動脈性肺高血圧症患者が,標準治療に加えて,ソタテルセプト 0.3 mg/kg を投与する群,0.7 mg/kg を投与する群,プラセボを投与する群に無作為に割り付けられた.24 週時点で,ソタテルセプト群は 2 群とも,肺血管抵抗の低下がプラセボ群と比較して大きかった.
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原発性高シュウ酸尿症 1 型に対するルマシラン
Lumasiran for Primary Hyperoxaluria Type 1原発性高シュウ酸尿症 1 型は,肝臓でシュウ酸が過剰に産生されることで生じ,腎結石,腎石灰化症,腎不全,全身性シュウ酸症を引き起こす.この試験では,オリゴヌクレオチド薬により肝臓でのシュウ酸産生が抑制されるかどうかが検証された.
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乾癬性関節炎に対するウパダシチニブ
Upadacitinib for Psoriatic Arthritisヤヌスキナーゼ阻害薬のウパダシチニブ(15 mg/日または 30 mg/日)を,プラセボ,TNF-α阻害薬アダリムマブと比較した試験で,12 週時点での米国リウマチ学会基準による 20%改善(ACR20)を達成した患者の割合は,ウパダシチニブ 15 mg 群 70.6%,30 mg 群 78.5%,プラセボ群 36.2%,アダリムマブ群 65.0%であった.ウパダシチニブ群では肝障害が認められた.
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短報:伝播にいたるエボラの再発
Brief Report: Ebola Relapse Leading to Transmissionコンゴ民主共和国の報告によると,若年男性 1 例がエボラウイルス病(EVD)を発症し,モノクローナル抗体による治療後に回復した.6 ヵ月後に EVD が再発し,男性はウイルスを他者に伝播させ,EVD で死亡した.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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診断を徹底追跡する
Stalking the Diagnosis22 歳の男性が進行性神経機能低下で受診した.受診の 1 年前に,左眼に無痛性の視力障害が生じ,その後右眼でも生じた.その後 4~6 ヵ月間に,広汎なしびれ,四肢のこわばり,全身脱力,尿失禁が現れた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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心膜内の結腸
Intrapericardial Colon54 歳の女性が,放屁または排便後に軽減する動悸を訴えて受診した.CT で,心膜腔内に横行結腸が認められた.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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大きな網を打つ
Casting a Wide Netこの双方向性の特集記事では,体重増加,易刺激性,脱力,皮膚の変化が出現し,評価を受けるため小児科医を受診した 16 歳の女児を紹介する.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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心血管疾患を軽減する血糖降下薬
Glucose-Lowering Drugs to Reduce Cardiovascular Disease心血管疾患合併(または心血管疾患高リスクの)2 型糖尿病を有し,メトホルミンで目標血糖が達成されていない患者に推奨される治療には,心血管系に有益であることが示されている GLP-1 受容体作動薬や SGLT2 阻害薬クラスの薬剤が含まれる.
NEJM QUICK TAKE
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食道癌の転帰を改善する
Improving Outcomes in Esophageal Cancer食道癌により毎年 50 万人以上が死亡する.術前化学放射線療法後の手術は,切除可能な局所進行食道癌または食道胃接合部癌に対して広く用いられている標準治療であるが,再発リスクは高く,術後の標準治療としては経過観察が行われてきた.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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原発性高シュウ酸尿症 1 型を治療する
Treating Primary Hyperoxaluria Type 1原発性高シュウ酸尿症 1 型(PH1)はまれな進行性遺伝性疾患であり,肝臓におけるシュウ酸の過剰な産生によって,生命を脅かす症状が現れる.主に小児期に発症するが,ある登録によると,PH1 患者の 43%が診断時にすでに末期腎不全であり,14%が中央値でわずか 15.5 歳で死亡している.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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新興感染症に対処する
Responding to Emerging Infectious DiseasesChristopher Elias が感染症の封じ込めにおける進歩と,新たな脅威を防ぎ,立ち向かうための措置について論じている.