- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 21, 2021
Vol. 385 No. 17
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
-
NASH に対する汎 PPAR 作動薬の無作為化試験
A Randomized Trial of a Pan-PPAR Agonist in NASHラニフィブラノールは,代謝経路と炎症経路を修飾する汎ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)作動薬である.非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者を対象とした 24 週間の第 2b 相プラセボ対照試験で,ラニフィブラノール 1,200 mg により NASH の組織学的特徴が有意に改善したが,800 mg では有意には改善しなかった.ラニフィブラノールでは,体重増加,貧血,末梢性浮腫,下痢,悪心がプラセボよりも多く発現した.
-
NAFLD における転帰
Outcomes in Nonalcoholic Fatty Liver Disease非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者を対象とした研究において,中央値 4 年の追跡期間中の全死因死亡率は,ベースライン時に肝線維化が進展していた患者のほうが,肝線維化ステージの低かった患者よりも高かった.肝線維化の進展は,非代償性肝硬変イベントの発生率の上昇と関連していた.
-
AQP1 プロモーター変異と腹膜透析
AQP1 Promoter Variant and Peritoneal Dialysis腹膜透析治療中の患者では,限外濾過量の差が処方や転帰に影響を及ぼす.この研究は,水チャネルであるアクアポリン 1 をコードする遺伝子 AQP1 の頻度の高い変異が,そのような患者における限外濾過量の減少と,死亡または技術的失敗のリスクの増加に関連していることを明らかにした.
-
小児期における肥満と Gαs
Obesity in Childhood and Gαsこの研究は,GNAS(Gαs 蛋白質コード遺伝子)の一部の変異により小児肥満が生じることを明らかにした.その後の検討から,単一遺伝子疾患の臨床的ばらつきが広範であることが示され,この遺伝型の肥満の治療にとって重要な意義をもっている.
REVIEW ARTICLE
-
ポイントオブケア超音波検査
Point-of-Care Ultrasonographyポイントオブケア超音波検査(POCUS)は主治医がベッドサイドで実施し,画像所見を速やかに解釈して診療に組み込むことができる.この総説では,POCUS の技術,臨床での応用,POCUS と画像専門医による超音波検査との相補性について論じている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
下顎の腫脹と高カルシウム血症を有する女児
A Girl with Swelling of the Jaw and Hypercalcemia14 歳の女児が,下顎の進行性の腫脹を訴えて受診した.この入院の 6 週間前に,左下顎に痛みを伴わない腫瘤が出現した.腫瘤は大きくなり,顔面および頸部の左側の腫脹が出現した.腫瘤の生検検体で豊富な巨細胞が認められた.カルシウム濃度は 11.8 mg/dL であった.診断がなされた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
-
気腫性肝炎
Emphysematous Hepatitis82 歳の男性が,発熱と意識障害で救急部を受診した.腹部 CT で肝臓にガスが認められ,培養で基質拡張型βラクタマーゼ産生 Klebsiella pneumoniae の発育が認められ,気腫性肝炎の診断がなされた.
NEJM QUICK TAKE
-
NASH における汎 PPAR 作動薬
A Pan-PPAR Agonist in NASH非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の管理における選択肢は限られている.汎ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)作動薬であるラニフィブラノールは,前臨床試験では NASH の活動性のマーカーに対して有望であることが示されているが,有効性は依然として不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
-
AQP1 の変異と腹膜透析
AQP1 Variant and Peritoneal Dialysis腹膜透析治療を開始する患者では,限外濾過量の差が大きく,透析の処方と転帰に影響を及ぼしている.限外濾過量の差の原因はほとんど解明されていない.一つの要因として,AQP1 の変異が提唱されている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
-
GNAS 変異,肥満,メラノコルチン 4 経路
GNAS Mutations, Obesity, and the Melanocortin 4 Pathway偽性副甲状腺機能低下症の背景には GNAS 変異がある.GNAS のシーケンシングは通常,偽性副甲状腺機能低下症の臨床的特徴が明らかな場合にのみ行われるため,病的な GNAS 変異の真の有病率は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
-
免疫不全状態の親の立場で Covid-19 を切り抜ける
Navigating Covid-19 as an Immunocompromised ParentSasha Mallett が,感染の高リスク者として Covid-19 パンデミック下に育児を行うことと,それに伴う悪影響について論じている.