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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 29, 2021
Vol. 385 No. 5
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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乳癌における術後療法の期間
Duration of Adjuvant Therapy in Breast Cancerホルモン受容体陽性乳癌を有し,術後内分泌療法を 5 年間受けた閉経後女性が,アロマターゼ阻害薬アナストロゾールをさらに 2 年間投与する群と 5 年間投与する群に無作為に割り付けられた.無病生存に群間で差は認められなかったが,骨折は 5 年群のほうが多かった.
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Covid-19 肺炎に対するトファシチニブ
Tofacitinib for Covid-19 PneumoniaCovid-19 肺炎で入院した患者が,症状発現後中央値で 10 日の時点で,トファシチニブの投与を受ける群とプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けられた.28 日時点での死亡または呼吸不全のリスクは,トファシチニブ群のほうが低かった.
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若年発症 2 型糖尿病の合併症
Complications in Youth-Onset Type 2 Diabetes臨床試験で,若年発症 2 型糖尿病における 3 つの治療(いずれもメトホルミンを含む)の血糖コントロールへの有効性が評価された.この追跡研究で,合併症のリスクは時間経過とともに徐々に増加し,成人早期までに患者の大多数に合併症が生じたことが示された.
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脊髄性筋萎縮症 1 型に対する小分子 SMN2 修飾薬
Small-Molecule SMN2 Modifier in Type 1 SMA脊髄性筋萎縮症 1 型の乳児 41 例に,SMN2 の mRNA 前駆体スプライシング修飾薬であるリスジプラムが経口投与された.投与開始後 12 ヵ月の時点で,12 例が支持なしで座位を保持することができ,大部分の乳児では,運動機能スケールのスコアが,過去対照の信頼区間の上限値と比較して良好であった.
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先天性 CMV 感染症を予防するための高力価免疫グロブリン
Hyperimmune Globulin to Prevent Congenital CMV先天性サイトメガロウイルス感染症は,重篤な周産期合併症の原因の 1 つである.399 例の妊娠女性を対象としたこの無作為化試験では,CMV 高力価免疫グロブリンは,先天性 CMV 感染症や周産期死亡に関して利益をもたらさなかった.
REVIEW ARTICLE
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思春期児のうつ病
Depression in Adolescents思春期児のうつ病は,成人のうつ病を上回る速度で増加している.気分の変化よりも,食欲の変化,活力の喪失,不眠のほうが顕著な場合がある.薬物療法と心理療法が有効であるが,スティグマと薬剤の有害作用が治療を妨げる.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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血便と血小板減少症を呈する女性
A Woman with Bloody Stools and Thrombocytopeniaアルポート症候群と推定される 41 歳の女性が,血便と直腸痛で入院した.女性は 6 ヵ月前に死体ドナー腎移植を受けていた.入院時,血圧は 85/46 mmHg,ヘモグロビン値は 6 g/dL,血小板数は 0/μL であった.診断検査が行われた.
CLINICAL DECISIONS
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心房細動に対するアブレーション後の抗凝固薬
Anticoagulation after Ablation for Atrial Fibrillation心房細動の管理に関するこの双方向性の特集記事では,症例の提示後,心房細動に対するアブレーション後の抗凝固薬の使用について異なるアプローチを支持する 2 つのエッセイを示す.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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黄疸が現れた舌
An Icteric Tongue12 歳の男児が,4 日前から続く咽頭痛と暗色尿を訴えて受診した.舌と強膜に黄疸が認められ,ヘモグロビン値は 6.1 g/dL であった.寒冷凝集素症(EB ウイルスによる急性溶血性貧血)の診断がなされた.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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周期的な問題
A Periodic Problemこの双方向性の特集記事では,立つことができないほど重度の両下肢の脱力で救急部を受診した 27 歳の男性の症例を紹介する.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を試してください.
NEJM QUICK TAKE
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ホルモン受容体陽性乳癌を治療する
Treating Hormone-Receptor–Positive Breast Cancerルミナル乳癌における再発のリスクは,術後内分泌療法とアロマターゼ阻害薬の使用により改善しているが,先行試験では,リスクは生涯にわたって持続し,患者の半数以上で治療から 5 年が経過して再発が診断された.治療の延長が妥当であると考えられるが,もっとも有効な期間は不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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重症 Covid-19 肺炎に対するトファシチニブ
Tofacitinib for Severe Covid-19 Pneumonia重症 Covid-19 は,「サイトカインストーム」と呼ばれる過剰な免疫応答を伴う.トファシチニブはサイトカイン産生を間接的に抑制するが,転帰を改善するかどうかは不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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医師と刑事司法
Physicians and Criminal JusticeNathaniel Morris が,収監の代替手段を提供するプログラムにおける,医師の役割について論じている.