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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 3, 2022
Vol. 386 No. 9
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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成人重症患者における調整多電解質溶液と生理食塩水との比較
BMES vs. Saline in Critically Ill Adults重症患者を対象とした無作為化二重盲検試験で,ICU における輸液療法として調整多電解質溶液(BMES)と生理食塩水とが比較された.BMES を使用した場合に,生理食塩水を使用した場合よりも死亡や急性腎障害のリスクが低いというエビデンスは得られなかった.
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心臓手術後のトロポニン I と 30 日死亡率
Troponin I after Cardiac Surgery and 30-Day Mortality前向きコホート研究で解析された 13,862 例のうち,単独冠動脈バイパス術,または大動脈弁置換術・大動脈弁形成術を受けた患者では,30 日以内の死亡の補正ハザード比 1.00 超に関連する高感度心筋トロポニン I(術後 1 日以内に測定)の閾値は 5,670 ng/L であり,基準値上限の 218 倍であることが示された.
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乳児の RS ウイルス感染予防のためのニルセビマブ
Nirsevimab for Prevention of RSV in Infantsニルセビマブは,半減期を延長させた,RS ウイルス(RSV)の融合蛋白に対するモノクローナル抗体である.臨床試験で,ニルセビマブを単回投与した場合,プラセボを投与した場合と比較して,受診にいたった RSV 関連下気道感染症の発生率が有意に低くなった.
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単回接種の Ad26.COV2.S ワクチンの最終解析
Final Analysis of Single-Dose Ad26.COV2.SAd26.COV2.S ワクチンの単回接種の有効性を評価した無作為化試験で,中等症~重症・重篤 Covid-19 の予防におけるワクチンの有効性は,接種後 14 日目以降は 56.3%,接種後 28 日目以降は 52.9%であった.防御効果はブースター接種なしで 6 ヵ月以上持続した.接種は軽度~中等度の副反応を伴った.
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短報:類鼻疽とアロマセラピー
Brief Report: Melioidosis and Aromatherapy米国で同定された,渡航に関連しない類鼻疽(Burkholderia pseudomallei に起因)の 4 例は,汚染されたアロマセラピールームスプレーの使用と関連していた.
Videos, Images, and Multimedia
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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慢性膵炎
Chronic Pancreatitis慢性膵炎は,アルコール摂取,喫煙,遺伝的危険因子のいずれかと関連していることが多く,膵仮性囊胞,胆管狭窄,膵機能不全,骨量減少,膵癌を合併する可能性がある.管理法として,疼痛に対する構造的・非構造的介入や,膵酵素補充療法などがある.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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原発性肥大性骨関節症
Primary Hypertrophic Osteoarthropathy31 歳の男性が,進行する手足のばち指を訴えて受診した.評価では二次的な原因は否定され,原発性肥大性骨関節症と診断された.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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答えを切望する
Craving Answers不安障害と神経性食欲不振症の既往歴を有する 17 歳の女児が,不安,倦怠感,ふらつき,動悸を訴えて受診した.女児は2 週間前に,外来での集中的な栄養リハビリテーションプログラムに参加していた.低カリウム血症,低リン血症,低マグネシウム血症が認められた.
NEJM QUICK TAKE
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ICU における調整多電解質溶液と生理食塩水との比較
Balanced Multielectrolyte Solution vs. Saline in ICUs生理食塩水は,ICU でもっともよく使用される静脈内輸液であるが,死亡や急性腎障害のリスクを高める可能性がある.調整多電解質溶液が生理食塩水よりも安全であるかどうかは不明である.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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心臓手術後のトロポニン I と 30 日死亡率
Troponin I after Cardiac Surgery and 30-Day Mortality心臓手術後の臨床的に重要な周術期心筋損傷を同定するための心筋トロポニンについて,現在推奨されている閾値の範囲は広いが,エビデンスは限られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
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後期早産・正期産で出生した健康な乳児の RS ウイルス感染予防のためのニルセビマブ
Nirsevimab for RSV Prevention in Healthy Late-Preterm and Term Infantsニルセビマブは,早産で出生した健康な乳児の RS ウイルス関連下気道感染症の予防に有用であることが示されているが,後期早産・正期産で出生した乳児における安全性と有効性は明らかにされていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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公衆衛生と法律
Public Health and the LawMichelle Mello が,米国における個人の権利と,健康の問題を州・連邦政府が規制する権限について論じている.