March 14, 2002 Vol. 346 No. 11
顕著に肥満した小児および青年における耐糖能異常の有病率
Prevalence of Impaired Glucose Tolerance among Children and Adolescents with Marked Obesity
R. SINHA AND OTHERS
米国で流行している小児肥満に伴い,小児と青年における 2 型糖尿病の有病率が増加している.われわれは,肥満の小児と青年 167 例から成る多民族コホートにおける耐糖能異常の有病率を調査した.
全被験者に対し,2 時間の経口ブドウ糖負荷試験(ブドウ糖 1.75 g/体重 kg)を行い,ブドウ糖,インスリン,および C -ペプチド濃度を測定した.空腹時プロインスリン濃度を測定し,プロインスリンとインスリンの比を算出した.インスリン抵抗性はホメオスタシス・モデル・アセスメントにより推定し,β 細胞機能は,ブドウ糖摂取後 30 分間のインスリン濃度とブドウ糖濃度における変化の割合を算出することにより推定した.
耐糖能異常は,肥満小児 55 例(4~10 歳)の 25%および肥満青年 112 例(11~18 歳)の 21%に認められた;無症候性の 2 型糖尿病は肥満青年の 4%で同定された.インスリンおよび C -ペプチド濃度は,青年の糖尿病患者を除く耐糖能異常の被験者ではブドウ糖負荷試験後に顕著に上昇し,30 分間のブドウ糖濃度変化に対して 30 分間のインスリン濃度変化の割合が小さかった.体格指数で補正すると,インスリン抵抗性は,罹患コホートでより高く,耐糖能異常の最良の予測因子であった.
耐糖能異常は,民族に関係なく,重度に肥満した小児および青年に非常に多い.経口糖負荷試験異常はインスリン抵抗性と関連していたが,β 細胞機能は依然として比較的保持されていた.顕性化した 2 型糖尿病は,β 細胞の機能不全と関連していた.