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November 3, 2011 Vol. 365 No. 18

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インヒビター保有血友病患者に対する乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体の予防的投与
Anti-Inhibitor Coagulant Complex Prophylaxis in Hemophilia with Inhibitors

C. Leissinger and Others

背景

重症血友病 A で第 VIII 因子インヒビターを保有する患者は,重篤な出血性合併症が発生するリスク,末期関節症へ進行するリスクが高い.このような患者の出血を予防する有効な方法はまだ確立されていない.

方 法

血友病 A を有し,年齢 2 歳以上,インヒビター力価が高値で,出血に対しバイパス製剤として知られる濃縮製剤を使用している患者を,前向き無作為化クロスオーバー試験に登録し,乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体(AICC)の予防的静注を,目標用量 85 U/kg 体重(±15%)で週 3 日,投与間隔をあけて 6 ヵ月間行う治療と,6 ヵ月間のオンデマンド療法(出血に対し AICC を目標用量 85 U/kg [±15%] で投与)を比較した.2 つの治療期間のあいだには 3 ヵ月の休薬期間を設け,その間の出血に対してはオンデマンド療法を行った.主要転帰は,6 ヵ月の治療期間それぞれにおける出血回数とした.

結 果

34 例を無作為化した.26 例が両治療期間を終了し,per-protocol 解析で有効性を評価しえた.オンデマンド療法と比べて,予防投与は,すべての出血の 62%減少(P<0.001),関節血症の 61%減少(P<0.001),標的関節の出血(6 ヵ月の治療期間に単一の関節で 3 回以上の関節血症)の 72%減少(P<0.001)に関連した.無作為化した患者のうち,33 例が試験薬の投与を 1 回以上受け,安全性の評価が行われた.1 例が試験薬にアレルギー反応を示した.

結 論

第 VIII 因子インヒビターを保有する重症血友病 A 患者において,検討した用量での AICC 予防的投与により,関節内出血,その他の部位における出血の頻度が有意かつ安全に低下した.(Baxter BioScience 社から研究助成を受けた.Pro-FEIBA ClinicalTrials.gov 番号:NCT00221195)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 1684 - 92. )