The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

September 15, 2011 Vol. 365 No. 11

頭蓋内動脈狭窄症に対するステント留置と積極的薬物治療の比較
Stenting versus Aggressive Medical Therapy for Intracranial Arterial Stenosis

M.I. Chimowitz and Others

背景

アテローム性頭蓋内動脈狭窄症は脳梗塞の重大な原因の一つであり,脳梗塞の再発予防に経皮的血管形成・ステント留置術(percutaneous transluminal angioplasty and stenting:PTAS)が行われる例が増加している.しかし,無作為化試験による PTAS と薬物治療との比較はまだ行われていない.

方 法

頭蓋内主幹動脈径の 70~99%狭窄に起因する一過性脳虚血発作または脳梗塞を最近起こした患者を,積極的薬物治療のみを行う群と,積極的薬物治療に加え Wingspan ステントシステムを用いた PTAS を施行する群のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,登録後または追跡期間中に行った対応病変に対する血行再建術後 30 日以内の脳梗塞または死亡,あるいは 30 日を過ぎてからの狭窄動脈領域内の脳梗塞とした.

結 果

451 例を無作為化した時点で,脳梗塞または死亡の 30 日発生率が PTAS 群 14.7%(非致死的脳梗塞 12.5%,致死的脳梗塞 2.2%),薬物治療群 5.8%(非致死的脳梗塞 5.3%,脳梗塞とは無関係の死亡 0.4%)(P=0.002)であったため,登録を中止した.30 日を過ぎてからの狭窄動脈領域内の脳梗塞は各群で 13 例発生した.追跡調査は継続中であるが,現時点での平均期間は 11.9 ヵ月である.主要エンドポイントイベントの発生確率は 2 群間で時間の経過とともに有意に異なり(P=0.009),主要エンドポイントの 1 年発生率は PTAS 群で 20.0%,内科治療群で 12.2%であった.

結 論

頭蓋内主幹動脈狭窄症患者において,積極的薬物治療は Wingspan ステントシステムを用いた PTAS より優れており,その原因は,PTAS 後の早期脳梗塞リスクが高かったことと,積極的薬物治療単独での脳梗塞リスクが予測より低かったことの両方にあった.(米国国立神経疾患・脳卒中研究所ほかから研究助成を受けた.SAMMPRIS ClinicalTrials.gov 番号:NCT00576693)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2011; 365 : 993 - 1003. )