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February 2, 2012 Vol. 366 No. 5

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子宮筋腫に対するウリプリスタル酢酸塩とリュープロリド酢酸塩との比較
Ulipristal Acetate versus Leuprolide Acetate for Uterine Fibroids

J. Donnez and Others

背景

症候性子宮筋腫の手術前に行う治療において,ウリプリスタル酢酸塩(ulipristal acetate)のリュープロリド酢酸塩(leuprolide acetate)と比較した有効性・副作用プロファイルは明らかにされていない.

方 法

二重盲検非劣性試験において,症候性子宮筋腫と子宮出血過多を呈する患者 307 例を,ウリプリスタル酢酸塩(5 mg または 10 mg)連日経口投与群と,リュープロリド酢酸塩(3.75 mg)月 1 回筋肉内注射群のいずれかに無作為に割り付け,3 ヵ月間治療を行った.主要転帰は 13 週の時点で出血がコントロールされていた患者の割合とし,非劣性マージンは -20%と事前に規定した.

結 果

子宮出血がコントロールされていた患者は,ウリプリスタル酢酸塩 5 mg 群 90%,10 mg 群 98%,リュープロリド酢酸塩群 89%であり,差(リュープロリド酢酸塩群との比較)はウリプリスタル酢酸塩 5 mg 群で 1.2 パーセントポイント(95%信頼区間 [CI] -9.3~11.8),10 mg 群で 8.8 パーセントポイント(95% CI 0.4~18.3)であった.無月経をきたすまでの期間の中央値は,ウリプリスタル酢酸塩 5 mg 群 7 日,10 mg 群 5 日,リュープロリド酢酸塩群 21 日であった.中等度~重度のほてりは,ウリプリスタル酢酸塩 5 mg 群の 11%,10 mg 群の 10%,リュープロリド酢酸塩群の 40%で報告された(ウリプリスタル酢酸塩の各用量群とリュープロリド酢酸塩群との比較において P<0.001).

結 論

ウリプリスタル酢酸塩の 5 mg 連日投与と 10 mg 連日投与はいずれも,子宮出血のコントロールにおいてリュープロリド酢酸塩の月 1 回投与に対して非劣性であり,ほてりを引き起こす可能性が有意に低かった.(PregLem 社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 番号:NCT00740831)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 366 : 421 - 32. )