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September 20, 2012 Vol. 367 No. 12

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再発型多発性硬化症に対する経口 BG-12 のプラセボ対照第 3 相試験
Placebo-Controlled Phase 3 Study of Oral BG-12 for Relapsing Multiple Sclerosis

R. Gold and Others

背景

BG-12(フマル酸ジメチル [dimethyl fumarate])は,抗炎症・細胞保護作用を有することが前臨床試験で示されており,再発寛解型多発性硬化症患者を対象とした第 2 相プラセボ対照試験では,MRI 上で疾患活性の有意な低下をもたらすことが示されている.

方 法

再発寛解型多発性硬化症患者を対象に,無作為化二重盲検プラセボ対照第 3 相試験を行った.患者を,経口 BG-12 240 mg 1 日 2 回投与,BG-12 240 mg 1 日 3 回投与,プラセボ投与のいずれかに無作為に割り付けた.主要エンドポイントは 2 年後までに再発した患者の割合とした.他のエンドポイントは,年間再発率,障害進行が認められるまでの期間,MRI 所見などとした.

結 果

再発率の推定値は,BG-12 の 2 群のほうが,プラセボ群よりも有意に低かった(BG-12 1 日 2 回群 27%,1 日 3 回群 26% 対 プラセボ群 46%;両比較について P<0.001).2 年の時点における年間再発率は,プラセボ群の 0.36 に対して,BG-12 1 日 2 回群 0.17,1 日 3 回群 0.19 であり,各 BG-12 群の相対的低下はそれぞれ 53%,48%であった(各 BG-12 群とプラセボとの比較について P<0.001).障害の進行が認められた患者の割合の推定値は,BG-12 1 日 2 回群 16%,1 日 3 回群 18%,プラセボ群 27%であり,相対的リスク低下は BG-12 1 日 2 回群 38%(P=0.005),1 日 3 回群 34%(P=0.01)と有意であった.BG-12 により,ガドリニウム増強病変と,T2 強調画像で高信号を示す新規病変・拡大病変の数も有意に低下した(各 BG-12 群とプラセボ群との比較について P<0.001).BG-12 に関連する有害事象として,潮紅と,下痢・悪心・上腹部痛などの消化管系のイベントのほか,リンパ球減少と,肝アミノトランスフェラーゼ値上昇などが認められた.

結 論

再発寛解型多発性硬化症患者において,BG-12 投与はいずれの用量でも,プラセボと比較して再発率,年間再発率,障害進行率,MRI 上の病変数を有意に低下させた(Biogen Idec 社から研究助成を受けた.DEFINE ClinicalTrials.gov 番号:NCT00420212).

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2012; 367 : 1098 - 107. )