December 6, 2012 Vol. 367 No. 23
死産後の遺伝子異常調査のための核型分析とマイクロアレイ検査との比較
Karyotype versus Microarray Testing for Genetic Abnormalities after Stillbirth
U.M. Reddy and Others
遺伝子異常は死産の 6~13%に関連しているが,真の遺伝子異常率はそれより高い可能性がある.マイクロアレイ解析では,核型分析と異なり,生細胞が必要なく,コピー数多型と呼ばれる小さな欠失と重複が検出される.
死産共同研究ネットワークが,5 つの管轄地域で死産に関する住民ベース研究を行った.標準化された剖検と核型分析を行った.一塩基多型アレイを用いて,胎盤または胎児組織で 500 kb 以上のコピー数多型を検出した.見かけ上の非罹患者の 3 つのデータベースのいずれにおいても同定されていない変異を,ほぼ良性,臨床的意義不明,病原性の 3 群に分類した.分娩後に得られた検体の核型分析とマイクロアレイ解析との結果を比較した.
死産 532 例の検体の解析において,マイクロアレイ解析は,核型分析よりも診断結果が得られる頻度が高く(87.4% 対 70.5%,P<0.001),遺伝子異常の検出率が優れていた(異数性または病原性のコピー数多型 8.3% 対 5.8%,P=0.007).マイクロアレイ解析によって遺伝子異常が同定される頻度は,分娩前死産 443 例(8.8% 対 6.5%,P=0.02)と,先天奇形を伴う死産 67 例(29.9% 対 19.4%,P=0.008)においても高かった.核型分析と比較して,マイクロアレイ解析では,遺伝子異常の診断が死産全体で 41.9%,分娩前死産で 34.5%,奇形を伴う死産で 53.8%,相対的に増加した.
マイクロアレイ解析は,核型分析よりも遺伝子診断が得られる可能性が高い.それは主に,非生存組織を用いることができるためであり,先天奇形を伴う死産の解析や核型分析の結果が得られない場合に,とくに有用である.(米国ユニス・ケネディ・シュライバー国立小児保健・人間発達研究所から研究助成を受けた.)