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June 5, 2014 Vol. 370 No. 23

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急性細菌性皮膚感染症の治療におけるオリタバンシン単回投与
Single-Dose Oritavancin in the Treatment of Acute Bacterial Skin Infections

G.R. Corey and Others

背景

オリタバンシン(oritavancin)は,グラム陽性菌に対して抗菌活性を有するリポグリコペプチドである.活性は濃度依存性であり,半減期が長いことから,単回投与での治療が可能である.

方 法

急性細菌性皮膚・軟部組織感染症の成人を対象とした無作為化二重盲検試験において,オリタバンシン 1,200 mg の単回静注,または 7~10 日間の 1 日 2 回のバンコマイシン静注レジメンを行った.3 つの有効性評価項目により非劣性を検証した.主要複合評価項目は,オリタバンシン投与後 48~72 時間の時点で病変の拡大停止または縮小が認められ,発熱がなく,抗菌薬のレスキュー投与が不要であることと定義した.副次的評価項目は,試験責任医師の評価による治療終了後 7~14 日での臨床的治癒と,オリタバンシン投与後 48~72 時間での病変の 20%以上の縮小とした.

結 果

修正 intention-to-treat 集団は,オリタバンシンを投与した 475 例とバンコマイシンを投与した 479 例を対象とした.有効性評価項目とした 3 項目すべてが,事前に規定した,オリタバンシンのバンコマイシンに対する非劣性マージンである 10 パーセントポイントを達成した:主要評価項目は 82.3% 対 78.9%であり(差の 95%信頼区間 [CI] -1.6~8.4 パーセントポイント),試験責任医師の評価による臨床的治癒は 79.6% 対 80.0%であり(差の 95% CI -5.5~4.7 パーセントポイント),病変面積が 20%以上減少した患者の割合は 86.9% 対 82.9%であった(差の 95% CI -0.5~8.6 パーセントポイント).メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などの病原菌の種類別に評価した有効性転帰は,2 群で同程度であった.有害事象の頻度は全般的に同程度であったが,悪心はオリタバンシン投与例でより高頻度に発生した.

結 論

グラム陽性病原菌に起因する急性細菌性皮膚・軟部組織感染症の治療として,オリタバンシンの単回投与は,7~10 日間の 1 日 2 回のバンコマイシン投与と比較して非劣性であった.(Medicines Company 社から研究助成を受けた.SOLO I 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01252719)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 370 : 2180 - 90. )