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October 30, 2014 Vol. 371 No. 18

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造血器腫瘍に対する臍帯血 1 単位の移植と 2 単位の移植との比較
One-Unit versus Two-Unit Cord-Blood Transplantation for Hematologic Cancers

J.E. Wagner, Jr., and Others

背景

臍帯血は,造血幹細胞源として,これまでに推定で 30,000 例の移植に用いられている.1 単位の臍帯血に含まれる造血幹細胞の数は限られているため,体格の大きいレシピエントに用いることができず,また,造血機能回復の遅延とより高い死亡率に関連している.そこでわれわれは,2 単位の臍帯血を用いればより多くの造血幹細胞が含まれるため,移植後の転帰が改善するという仮説を立てた.

方 法

2006 年 12 月 1 日~12 年 2 月 24 日の期間に,1~21 歳の造血器腫瘍患者 224 例を対象に,同一の骨髄破壊的前処置レジメンと,移植片対宿主病(GVHD)予防のための免疫抑制療法を行ったあと,2 単位の臍帯血移植を受ける群(111 例)と 1 単位の臍帯血移植を受ける群(113 例)に無作為に割り付けた.主要評価項目は 1 年全生存率とした.

結 果

2 群は,年齢,性別,自己申告による人種(白人 対 非白人),全身状態(PS),ドナー–レシピエント間の HLA 一致度,移植時の疾患の種類と状態についてマッチしていた.1 年全生存率は,2 単位の臍帯血レシピエント群が 65%(95%信頼区間 [CI] 56~74),1 単位の臍帯血レシピエント群が 73%(95% CI 63~80)であった(P=0.17).無病生存率,好中球回復率,移植関連死亡率,再発率,感染症発生率,免疫回復率,グレード II~IV の急性 GVHD 発生率に関しても,2 群で転帰は類似していた.しかし,1 単位の臍帯血レシピエント群では,血小板回復がより早く,グレード III,IV の急性 GVHD および全身型慢性 GVHD の発生率がより低かった.

結 論

造血器腫瘍を有する小児と青年において,臍帯血 1 単位の移植後と 2 単位の移植後とで,生存率は同程度であったが,1 単位の移植は血小板回復がより良好であることと,GVHD のリスクがより低いことに関連していた.(米国国立心臓・肺・血液研究所,米国国立がん研究所から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT00412360)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 1685 - 94. )