The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

December 18, 2014 Vol. 371 No. 25

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

Xq26 の微小重複および GPR101 の変異による巨人症と先端巨大症
Gigantism and Acromegaly Due to Xq26 Microduplications and GPR101 Mutation

G. Trivellin and Others

背景

成長ホルモンの過剰分泌により,小児では巨人症,成人では先端巨大症が引き起こされるが,巨人症と先端巨大症の遺伝的要因は十分には解明されていない.

方 法

巨人症患者 43 例の検体について臨床的,遺伝学的検討を行い,続いて,先端巨大症患者 248 例の検体について関連の示唆された遺伝子の配列決定を行った.

結 果

巨人症患者では,13 例の検体で染色体 Xq26.3 上に微小重複が認められた.このうち 4 例は血縁関係のない 2 家系の患者であり,9 例は散発症例であった.これらの患者はすべて小児期早期に巨人症を発症していた.染色体 Xq26.3 に微小重複を有しない巨人症患者に,5 歳より前に発症した患者はいなかった.Xq26.3 領域のゲノム解析により,微小重複は染色体複製の際に生じ,4 つの蛋白質コード遺伝子を含むことが示唆された.これらの遺伝子のうち,G 蛋白質共役型受容体をコードする GPR101 だけが患者の下垂体病変で過剰発現していた.先端巨大症患者では 248 例中 11 例で GPR101 の反復変異(p.E308D)が同定され,変異は大半が腫瘍で認められた.この変異をラット GH3 細胞に導入すると,成長ホルモンの分泌と,成長ホルモン産生細胞の増殖が亢進した.

結 論

Xq26.3 のゲノム重複によって引き起こされ,成長ホルモンの過剰分泌による巨人症の早期発症を特徴とする小児疾患(X 染色体連鎖先端肥大巨人症 [X-LAG] と命名)について報告した.GPR101 の重複が X-LAG の原因である可能性が高い.また,先端巨大症の成人患者のなかには,GPR101 の反復変異を有する例が存在することも発見した.(ユニス・ケネディ・シュライバー米国国立小児保健・人間発達研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 2363 - 74. )