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August 14, 2014 Vol. 371 No. 7

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尿中ナトリウム・カリウム排泄量,死亡,心血管イベント
Urinary Sodium and Potassium Excretion, Mortality, and Cardiovascular Events

M. O’Donnell and Others

背景

心血管の健康のために最適なナトリウム摂取量の範囲については議論がある.

方 法

17 ヵ国の 101,945 人から早朝空腹時尿検体を採取し,24 時間ナトリウム・カリウム排泄量を推定した(摂取量の代替指標として使用).尿中ナトリウム・カリウムの推定排泄量と,死亡および主要心血管イベントの複合転帰との関連を検討した.

結 果

推定ナトリウム排泄量の平均は 4.93 g/日,推定カリウム排泄量の平均は 2.12 g/日であった.平均追跡期間 3.7 年で,複合転帰は 3,317 人(3.3%)に発生した.推定ナトリウム排泄量が 4.00~5.99 g/日(基準範囲)の場合と比較して,推定ナトリウム排泄量が多い(≧7.00 g/日)場合は,複合転帰のリスク上昇に関連し(オッズ比 1.15,95%信頼区間 [CI] 1.02~1.30),死亡と主要心血管イベントを個別に検討した場合にもリスク上昇との関連が認められた.推定ナトリウム排泄量が多いことと複合転帰との関連は,高血圧者においてもっとも強く(交互作用について P=0.02),推定ナトリウム排泄量 6.00 g/日以上でリスクは上昇した.推定ナトリウム排泄量は,基準範囲の場合と比較して, 3.00 g/日未満の場合にも複合転帰のリスク上昇に関連した(オッズ比 1.27,95% CI 1.12~1.44).推定カリウム排泄量は,1.50 g/日未満の場合と比較して,それより多い場合に複合転帰のリスク低下に関連した.

結 論

尿中ナトリウム排泄量の測定値に基づきナトリウム摂取量を推定したこの研究では,推定ナトリウム摂取量が 3~6 g/日の場合は,推定摂取量がこれより多い場合,少ない場合よりも,死亡および心血管イベントのリスクがより低いことに関連した.推定カリウム排泄量が 1.50 g/日未満の場合と比較して,カリウム排泄量がより多い場合は,死亡および心血管イベントのリスクがより低いことに関連した.(公衆衛生研究所ほかから研究助成を受けた.)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2014; 371 : 612 - 23. )