The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

February 4, 2016 Vol. 374 No. 5

標準リスクの急性骨髄性白血病における微小残存病変の評価
Assessment of Minimal Residual Disease in Standard-Risk AML

A. Ivey and Others

背景

標準リスクの急性骨髄性白血病(AML)は分子的に多様であるにもかかわらず,治療決定は限られた数の分子遺伝子マーカーと,形態学的な寛解評価に基づいて行われている.白血病特異的マーカー(ヌクレオフォスミンをコードする遺伝子 [NPM1] の変異など)を高感度で検出できれば,寛解期の超微細な病変を同定できるようになり,予後予測が改善される可能性がある.

方 法

英国国立がん研究所の AML17 試験で集中治療を受けた NPM1 変異 AML 患者 346 例の 2,569 検体に対して,微小残存病変を検出するために定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を行った.51 遺伝子のカスタムパネルを用いて,診断時に採取された 223 検体と再燃時に採取された 49 検体の標的配列決定を行った.デジタル PCR を用いて,前白血病クローンに関連する変異を追跡した.

結 果

分子プロファイリングによって,NPM1 変異 AML の複雑さが浮き彫りになった.患者は 150 を超えるサブグループに分かれ,信頼性の高い転帰予測を妨げていた.微小残存病変の有無から,より多くの予後情報が得られた.化学療法を 2 サイクル施行後,患者の 15%で血中に NPM1 変異転写産物の残存が認められた.そのような患者では,残存が認められなかった患者と比較して,追跡 3 年後の再発リスクがより高く(82% 対 30%,ハザード比 4.80,95%信頼区間 [CI] 2.95~7.80,P<0.001),生存率がより低かった(24% 対 75%,死亡のハザード比 4.38,95% CI 2.57~7.47,P<0.001).微小残存病変の存在は,多変量解析において死亡の唯一の独立した予後因子であった(ハザード比 4.84,95% CI 2.57~9.15,P<0.001).これらの結果は,独立したコホートで妥当性が検証された.微小残存病変の連続モニタリングでは,NPM1 変異転写産物の濃度上昇から再発が高い信頼度で予測された.前白血病クローンに関連する変異は,化学療法後の寛解持続中も依然として検出可能であったが,NPM1 変異は再発時に 70 例中 69 例で検出され,より優れた疾患マーカーであることが示された.

結 論

微小残存病変の存在は,NPM1 変異転写産物の定量によって決定され,他の危険因子とは独立した強力な予後情報を提供した.(Bloodwise と英国国立健康研究所から研究助成を受けた.Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN55675535)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2016; 374 : 422 - 33. )