September 8, 2016 Vol. 375 No. 10
活動性非感染性ぶどう膜炎患者に対するアダリムマブ
Adalimumab in Patients with Active Noninfectious Uveitis
G.J. Jaffe and Others
非感染性ぶどう膜炎患者には,長期にわたるコントロール不良の炎症のリスクや,長期のステロイド療法による有害作用のリスクがある.われわれは,非感染性ぶどう膜炎の治療に関し,グルココルチコイド減量薬としてのアダリムマブの有効性と安全性を評価する試験を行った.
プレドニゾン(prednisone)投与を 2 週間以上受けているにもかかわらず,活動性の非感染性中間部ぶどう膜炎,後部ぶどう膜炎,汎ぶどう膜炎を有する成人患者を対象とする国際共同第 3 相試験を行った.試験担当医師と患者には試験群の割付けを知らせなかった.患者を,アダリムマブ(初回投与量 80 mg,その後 2 週ごとに 40 mg)を投与する群と,マッチさせたプラセボを投与する群に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.試験登録時に全例にプレドニゾンの高量投与を行い,15 週間でプレドニゾンを漸減した.主要有効性評価項目は,6 週目以降に生じた治療失敗までの期間とした.治療失敗は,新規の炎症病変,矯正視力,前房細胞グレード,および硝子体混濁グレードの評価に基づく多項目転帰とした.順位付けされた 9 つの副次的有効性評価項目を評価し,また有害事象を報告した.
治療失敗までの期間の中央値は,アダリムマブ群 24 週,プラセボ群 13 週であった.intention-to-treat 集団 217 例のうち,アダリムマブ投与例は,プラセボ投与例よりも治療失敗率が低かった(ハザード比 0.50,95%信頼区間 0.36~0.70,P<0.001).3 つの副次的評価項目(前房細胞グレードの変化,硝子体混濁グレードの変化,矯正視力の変化)に関して,アダリムマブ群のほうがプラセボ群よりも有意に良好であった.有害事象および重篤な有害事象が報告される頻度はアダリムマブ投与例のほうが高かった(100 人年あたり有害事象 1,052.4 件 対 971.7 件,重篤な有害事象 28.8 件 対 13.6 件).
この試験で,アダリムマブには,プラセボと比較して,ぶどう膜炎性フレアと視力障害のリスクが低いこと,有害事象と重篤な有害事象が多いこととの関連が認められた.(AbbVie 社から研究助成を受けた.VISUAL I 試験 ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT01138657)