第 Xa 因子阻害薬に関連する出血に対するアンデキサネット アルファ試験の詳細な報告
Full Study Report of Andexanet Alfa for Bleeding Associated with Factor Xa Inhibitors
S.J. Connolly and Others
アンデキサネット アルファ(andexanet alfa)は,第 Xa 因子阻害薬を中和する目的で開発された遺伝子組換え不活性型のヒト第 Xa 因子である.
第 Xa 因子阻害薬投与後 18 時間以内に急性大出血を起こした 352 例を評価した.患者にアンデキサネットをボーラス投与し,その後 2 時間かけて静脈内投与した.主要複合評価項目は,アンデキサネット投与後の抗第 Xa 因子活性の変化(%)と,静脈内投与終了後 12 時間の時点で止血効果がきわめて良好または良好であった患者の割合の 2 つとし,止血効果は事前に規定した基準に従って判定した.有効性評価の対象は,大出血が確認された,ベースラインの抗第 Xa 因子活性が 75 ng/mL 以上の患者(エノキサパリンの投与を受けていた患者では 0.25 IU/mL 以上)のサブグループとした.
患者の平均年齢は 77 歳であり,大半が重大な心血管疾患を有していた.出血部位は主に頭蓋内(227 例 [64%])または消化管(90 例 [26%])であった.アピキサバンの投与を受けていた患者では,抗第 Xa 因子活性の中央値が,ベースラインの 149.7 ng/mL からアンデキサネットのボーラス投与後には 11.1 ng/mL に低下し(92%低下,95%信頼区間 [CI] 91~93),リバーロキサバンの投与を受けていた患者では 211.8 ng/mL から 14.2 ng/mL に低下した(92%低下,95% CI 88~94).きわめて良好または良好な止血は,評価可能であった 249 例のうち 204 例(82%)に認められた.30 日以内に,49 例(14%)が死亡し,34 例(10%)で血栓イベントが発生した.抗第 Xa 因子活性の低下から止血効果を予測することは患者全体ではできなかったが,頭蓋内出血の患者ではある程度予測することができた.
第 Xa 因子阻害薬の使用に関連する急性大出血を起こした患者では,アンデキサネットの投与により抗第 Xa 因子活性が著明に低下し,事前に規定した基準に従って判定した 12 時間の時点での止血効果がきわめて良好または良好であった割合は 82%であった.(ポートラ ファーマシューティカルズ社から研究助成を受けた.ANNEXA-4 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02329327)