黒人アフリカ人における降圧のための 2 剤併用療法の比較
Comparison of Dual Therapies for Lowering Blood Pressure in Black Africans
D.B. Ojji and Others
黒人アフリカ人患者における高血圧の有病率は高く,このような患者は通常,血圧のコントロールに 2 種類以上の薬剤を必要とする.しかし,このような患者において,血圧のコントロールに現在使用できるもっとも有効な 2 剤併用療法は確立されていない.
サハラ以南のアフリカの 6 ヵ国で行われた無作為化単盲検 3 群試験で,コントロール不良の高血圧(治療を受けていないとき,または降圧薬を 1 種類のみ服用しているときの血圧が 140/90 mmHg 以上)を有する黒人患者 728 例を,2 ヵ月にわたりアムロジピン 5 mg+ヒドロクロロチアジド 12.5 mg,アムロジピン 5 mg+ペリンドプリル 4 mg,ペリンドプリル 4 mg+ヒドロクロロチアジド 12.5 mg をそれぞれ毎日投与するレジメンのいずれかに無作為に割り付けた.その後投与量を 2 倍にし(それぞれ 10 mg+25 mg,10 mg+8 mg,8 mg+25 mg),さらに 4 ヵ月間投与した.主要評価項目は,24 時間自由行動下収縮期血圧のベースラインから 6 ヵ月の時点までの変化とした.
患者の平均年齢は 51 歳で,63%が女性であった.ベースラインと 6 ヵ月の時点で 24 時間血圧モニタリングを行った 621 例のうち,アムロジピン+ヒドロクロロチアジドを投与した患者とアムロジピン+ペリンドプリルを投与した患者は,ペリンドプリル+ヒドロクロロチアジドを投与した患者よりも 24 時間自由行動下収縮期血圧が低かった(ベースラインからの変化の群間差はそれぞれ-3.14 mmHg,95%信頼区間 [CI] -5.90~-0.38,P=0.03;-3.00 mmHg,95% CI -5.8~-0.20,P=0.04).アムロジピン+ヒドロクロロチアジド投与群とアムロジピン+ペリンドプリル投与群との差は-0.14 mmHg(95% CI -2.90~2.61,P=0.92)であった.3 群間における同様の効果の差が,診察室拡張期血圧と自由行動下拡張期血圧のほか,血圧コントロール,奏効割合にも認められた.
これらの所見は,サハラ以南のアフリカの黒人患者において,アムロジピンにヒドロクロロチアジドまたはペリンドプリルを併用する治療が,ペリンドプリル+ヒドロクロロチアジドよりも 6 ヵ月の時点での降圧に有効であることを示唆している.(グラクソ・スミスクライン社 アフリカ非感染性疾患オープンラボから研究助成を受けた.CREOLE 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02742467)