The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 7, 2019 Vol. 380 No. 10

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

日光角化症に対する 4 つの治療アプローチの無作為化試験
Randomized Trial of Four Treatment Approaches for Actinic Keratosis

M.H.E. Jansen and Others

背景

日光角化症は,白人集団におけるもっとも頻度の高い皮膚の前癌病変である.現行のガイドラインでは,どの治療が望ましいという明確な提言はなされていない.

方 法

用いられる頻度の高い 4 つの領域標的治療(連続した 1 つの部位における複数の病変に対する)の有効性を検討した.オランダの 4 つの病院において,頭部の 25~100 cm2 の連続した 1 領域に,日光角化症の病変が 5 個以上あると臨床的に診断された患者を登録した.患者を,5%フルオロウラシルクリーム群,5%イミキモドクリーム群,アミノレブリン酸メチルによる光線力学療法(MAL-PDT)群,0.015%インゲノールメブテート(ingenol mebutate)ゲル群に無作為に割り付けた.主要評価項目は,ベースラインから治療終了後 12 ヵ月までに日光角化症病変数が 75%以上減少した患者の割合とした.修正 intention-to-treat 解析と per-protocol 解析の両方を行った.

結 果

2014 年 11 月~2017 年 3 月に 624 例を組み入れた.治療終了後 12 ヵ月の時点で,治療成功の累積確率は,フルオロウラシル治療患者(74.7%,95%信頼区間 [CI] 66.8~81.0)が,イミキモド治療患者(53.9%,95% CI 45.4~61.6),MAL-PDT(37.7%,95% CI 30.0~45.3),インゲノールメブテート治療患者(28.9%,95% CI 21.8~36.3)よりも有意に高かった.フルオロウラシルと比較した治療失敗のハザード比は,イミキモドで 2.03(95% CI 1.36~3.04),MAL-PDT で 2.73(95% CI 1.87~3.99),インゲノールメブテートで 3.33(95% CI 2.29~4.85)であった(すべての比較で P≦0.001).予想外の毒性は確認されなかった.

結 論

頭部に複数の日光角化症病変を有する患者に対する 4 つの領域標的治療のうち,治療終了後 12 ヵ月の時点では,5%フルオロウラシルクリームがもっとも有効であった.(オランダ健康研究開発機構から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02281682)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 380 : 935 - 46. )