日光角化症に対する 4 つの治療アプローチの無作為化試験
Randomized Trial of Four Treatment Approaches for Actinic Keratosis
M.H.E. Jansen and Others
日光角化症は,白人集団におけるもっとも頻度の高い皮膚の前癌病変である.現行のガイドラインでは,どの治療が望ましいという明確な提言はなされていない.
用いられる頻度の高い 4 つの領域標的治療(連続した 1 つの部位における複数の病変に対する)の有効性を検討した.オランダの 4 つの病院において,頭部の 25~100 cm2 の連続した 1 領域に,日光角化症の病変が 5 個以上あると臨床的に診断された患者を登録した.患者を,5%フルオロウラシルクリーム群,5%イミキモドクリーム群,アミノレブリン酸メチルによる光線力学療法(MAL-PDT)群,0.015%インゲノールメブテート(ingenol mebutate)ゲル群に無作為に割り付けた.主要評価項目は,ベースラインから治療終了後 12 ヵ月までに日光角化症病変数が 75%以上減少した患者の割合とした.修正 intention-to-treat 解析と per-protocol 解析の両方を行った.
2014 年 11 月~2017 年 3 月に 624 例を組み入れた.治療終了後 12 ヵ月の時点で,治療成功の累積確率は,フルオロウラシル治療患者(74.7%,95%信頼区間 [CI] 66.8~81.0)が,イミキモド治療患者(53.9%,95% CI 45.4~61.6),MAL-PDT(37.7%,95% CI 30.0~45.3),インゲノールメブテート治療患者(28.9%,95% CI 21.8~36.3)よりも有意に高かった.フルオロウラシルと比較した治療失敗のハザード比は,イミキモドで 2.03(95% CI 1.36~3.04),MAL-PDT で 2.73(95% CI 1.87~3.99),インゲノールメブテートで 3.33(95% CI 2.29~4.85)であった(すべての比較で P≦0.001).予想外の毒性は確認されなかった.
頭部に複数の日光角化症病変を有する患者に対する 4 つの領域標的治療のうち,治療終了後 12 ヵ月の時点では,5%フルオロウラシルクリームがもっとも有効であった.(オランダ健康研究開発機構から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02281682)