The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

July 4, 2019 Vol. 381 No. 1

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

転移性去勢感受性前立腺癌に対するアパルタミド
Apalutamide for Metastatic, Castration-Sensitive Prostate Cancer

K.N. Chi and Others

背景

アパルタミドは,アンドロゲン受容体のリガンド結合部位阻害薬である.転移性去勢感受性前立腺癌患者において,アンドロゲン除去療法(ADT)にアパルタミドを追加した場合に,プラセボを追加した場合と比較して,画像上の無増悪生存期間と全生存期間が延長するかどうかは明らかにされていない.

方 法

二重盲検第 3 相試験で,転移性去勢感受性前立腺癌患者を,ADT に加えて,アパルタミド(240 mg/日)を投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた.限局性癌に対する治療歴とドセタキセルによる治療歴があっても適格とした.主要評価項目は,画像上の無増悪生存期間と全生存期間とした.

結 果

525 例がアパルタミド+ADT 群,527 例がプラセボ+ADT 群に割り付けられた.年齢の中央値は 68 歳であった.患者の 16.4%が限局性癌に対する前立腺摘除術または放射線療法を受けており,10.7%にドセタキセルによる治療歴があり,62.7%が高腫瘍量,37.3%が低腫瘍量であった.追跡期間中央値 22.7 ヵ月の時点で行った 1 回目の中間解析で,24 ヵ月の時点での画像上の無増悪生存割合は,アパルタミド群 68.2%,プラセボ群 47.5%であった(画像上の進行または死亡のハザード比 0.48,95%信頼区間 [CI] 0.39~0.60,P<0.001).24 ヵ月の時点での全生存割合も,アパルタミド群のほうがプラセボ群よりも高かった(82.4% 対 73.5%,死亡のハザード比 0.67,95% CI 0.51~0.89,P=0.005).グレード 3 または 4 の有害事象の頻度はアパルタミド群 42.2%,プラセボ群 40.8%であったが,皮疹の頻度はアパルタミド群のほうが高かった.

結 論

転移性去勢感受性前立腺癌患者を対象としたこの試験では,ADT にアパルタミドを追加した場合に,プラセボを追加した場合と比較して全生存期間と画像上の無増悪生存期間が有意に延長し,副作用プロファイルに 2 群間で大きな差はなかった.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社から研究助成を受けた.TITAN 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02489318)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 13 - 24. )