The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

October 24, 2019 Vol. 381 No. 17

BRAF V600E 変異陽性大腸癌に対するエンコラフェニブ,ビニメチニブ,セツキシマブ
Encorafenib, Binimetinib, and Cetuximab in BRAF V600E–Mutated Colorectal Cancer

S. Kopetz and Others

背景

BRAF V600E 変異陽性の転移性大腸癌患者は転帰不良であり,初回治療失敗後の全生存期間は中央値で 4~6 ヵ月である.BRAF のみの阻害は,上皮成長因子受容体のシグナル伝達を介して経路が再活性化されるため,活性は限定的である.

方 法

非盲検第 3 相試験で,1 種類または 2 種類のレジメンを受けた後に増悪した BRAF V600E 変異陽性の転移性大腸癌患者 665 例を組み入れた.患者を,エンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブを投与する群(3 剤併用療法群),エンコラフェニブ+セツキシマブを投与する群(2 剤併用療法群),医師の選択でセツキシマブ+イリノテカンか,セツキシマブ+ FOLFIRI(フォリン酸,フルオロウラシル,イリノテカン)を投与する群(対照群)に,1:1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は,対照群と比較した 3 剤併用療法群の全生存期間と客観的奏効割合とした.副次的評価項目は,対照群と比較した 2 剤併用療法群の全生存期間などとした.本稿では事前に規定された中間解析の結果を報告する.

結 果

全生存期間中央値は,3 剤併用療法群 9.0 ヵ月,対照群 5.4 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.52,95%信頼区間 [CI] 0.39~0.70,P<0.001).確認された奏効割合は,3 剤併用療法群 26%(95% CI 18~35),対照群 2%(95% CI 0~7)であった(P<0.001).2 剤併用療法群の全生存期間は中央値で 8.4 ヵ月であった(対照群に対する死亡のハザード比 0.60,95% CI 0.45~0.79,P<0.001).グレード 3 以上の有害事象は,3 剤併用療法群の 58%,2 剤併用療法群の 50%,対照群の 61%に発現した.

結 論

BRAF V600E 変異陽性の転移性大腸癌患者において,エンコラフェニブ,セツキシマブ,ビニメチニブの併用により,標準治療と比較して全生存期間は有意に長くなり,奏効割合が高くなった.(アレイ バイオファーマ社ほかから研究助成を受けた.BEACON CRC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02928224,EudraCT 登録番号 2015-005805-35)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 1632 - 43. )