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July 25, 2019 Vol. 381 No. 4

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乳癌におけるリボシクリブと内分泌療法の併用による全生存期間
Overall Survival with Ribociclib plus Endocrine Therapy in Breast Cancer

S.-A. Im and Others

背景

この第 3 相試験の既報の解析では,ホルモン受容体陽性ヒト上皮成長因子受容体 2(HER2)陰性進行乳癌を有する閉経前または閉経周辺期の患者において,内分泌療法にサイクリン依存性キナーゼ 4 および 6(CDK4/6)阻害薬を追加すると,無増悪生存期間に関して,内分泌療法単独よりも大きな利益がもたらされることが示された.本稿では,主な副次的評価項目である全生存期間について,プロトコールに規定した中間解析の結果を報告する.

方 法

患者を,内分泌療法(ゴセレリンと,非ステロイド性アロマターゼ阻害薬またはタモキシフェンの併用)に加えて,リボシクリブ(ribociclib)の投与を受ける群とプラセボの投与を受ける群に無作為に割り付けた.全生存期間は層別化 log-rank 検定を用いて評価し,Kaplan–Meier 法を用いて要約した.

結 果

672 例を intention-to-treat 集団に組み入れた.リボシクリブ群 335 例中 83 例(24.8%)とプラセボ群 337 例中 109 例(32.3%)が死亡した.内分泌療法にリボシクリブを追加することで,全生存期間は内分泌療法単独よりも有意に長くなった.42 ヵ月全生存率は,リボシクリブ群 70.2%(95%信頼区間 [CI] 63.5~76.0),プラセボ群 46.0%(95% CI 32.0~58.9)と推定された(死亡のハザード比 0.71,95% CI 0.54~0.95,log-rank 検定による P=0.00973).アロマターゼ阻害薬の投与を受けた 495 例のサブグループで認められた生存利益は,全 intention-to-treat 集団で認められた利益と一致していた(死亡のハザード比 0.70,95% CI 0.50~0.98).その後抗腫瘍治療を受けた患者の割合は両群で同程度であった(リボシクリブ群 68.9%,プラセボ群 73.2%).無作為化から,二次治療中に病勢進行が認められるまで,または死亡するまでの期間も,リボシクリブ群のほうがプラセボ群よりも長かった(病勢進行または死亡のハザード比 0.69,95% CI 0.55~0.87).

結 論

この試験では,ホルモン受容体陽性 HER2 陰性進行乳癌患者において,CDK4/6 阻害薬と内分泌療法の併用は,内分泌療法単独と比較して全生存期間が有意に長いことが示された.より長期の追跡期間中に,毒性に関する新たな懸念は認められなかった.(ノバルティス社から研究助成を受けた.MONALEESA-7 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02278120)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 307 - 16. )