The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 25, 2019 Vol. 381 No. 4

局所進行または転移性の尿路上皮癌に対するエルダフィチニブ
Erdafitinib in Locally Advanced or Metastatic Urothelial Carcinoma

Y. Loriot and Others

背景

線維芽細胞成長因子受容体をコードする遺伝子(FGFR)の変異は,尿路上皮癌でみられる頻度が高く,免疫介入に対する感受性がより低いことに関連している可能性がある.FGFR1~4 のチロシンキナーゼ阻害薬であるエルダフィチニブ(erdafitinib)は,前臨床モデルと FGFR 変異を有する患者を対象とした第 1 相試験 1 件で抗腫瘍活性を示している.

方 法

非盲検第 2 相試験で,事前に規定した FGFR 変異を有する局所進行切除不能または転移性の尿路上皮癌患者を組み入れた.全例に,少なくとも 1 コースの化学療法中またはその終了後,あるいは術前または術後の補助化学療法後 12 ヵ月以内の病勢進行歴があった.免疫療法の治療歴があっても適格とした.用量選択相で,最初に患者をエルダフィチニブの間欠投与レジメン群と継続投与レジメン群に無作為に割り付けた.中間解析に基づき,継続投与レジメンの開始用量を 8 mg/日とし(選択レジメン群),薬力学的アプローチにより 9 mg まで増量できるよう規定した.主要評価項目は客観的奏効率とした.主な副次的評価項目は,無増悪生存期間,奏効期間,全生存期間などとした.

結 果

選択レジメン群の 99 例がエルダフィチニブ投与を中央値で 5 サイクル受けた.このうち 43%に 2 コース以上の治療歴があり,79%が他臓器転移を有し,53%がクレアチニンクリアランス 60 mL/分未満であった.エルダフィチニブ療法による画像で確認された奏効率は 40%(完全奏効 3%,部分奏効 37%)であった.免疫療法を受けたことがある 22 例における画像で確認された奏効率は 59%であった.無増悪生存期間の中央値は 5.5 ヵ月であり,全生存期間の中央値は 13.8 ヵ月であった.グレード 3 以上の治療関連有害事象は患者の 46%に認められ,大部分が用量調整によって管理されたが,13%は有害事象により投与を中止した.治療関連死亡はなかった.

結 論

FGFR 変異陽性の局所進行切除不能または転移性の尿路上皮癌で治療歴のある患者において,エルダフィチニブの使用は,40%の客観的腫瘍縮小効果と関連した.患者の半数近くでグレード 3 以上の治療関連有害事象が報告された.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社から研究助成を受けた.BLC2001 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02365597)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 338 - 48. )