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September 5, 2019 Vol. 381 No. 10

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大うつ病性障害患者を対象とした SAGE-217 の試験
Trial of SAGE-217 in Patients with Major Depressive Disorder

H. Gunduz-Bruce and Others

背景

うつ病の成因にはγ-アミノ酪酸(GABA)の神経伝達障害が関与していることが示唆されている.GABA A 型受容体の経口ポジティブアロステリックモジュレータである SAGE-217 が,大うつ病性障害の治療に有効かつ安全かどうかはわかっていない.

方 法

二重盲検第 2 相試験において大うつ病患者を登録し,SAGE-217 30 mg を 1 日 1 回投与する群とプラセボを投与する群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,17 項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)スコア(範囲は 0~52 で,高いほどうつ病が重度であることを示す)のベースラインから 15 日の時点までの変化量とした.副次的有効性エンドポイントは,うつ病と不安に関するその他のスコアのベースラインからの変化量,HAM-D スコアのベースラインから 50%超の低下,HAM-D スコア 7 以下,臨床全般印象-改善度尺度(1~7 で,7 は症状が著明に悪化したことを示す)が 1(著明に改善)または 2(中等度に改善)などとし,2~8 日目と 15,21,28,35,42 日目に評価した.

結 果

89 例を無作為化し,45 例を SAGE-217 群に,44 例をプラセボ群に割り付けた.ベースラインの HAM-D スコアの平均は,SAGE-217 群が 25.2,プラセボ群が 25.7 であった.HAM-D スコアのベースラインから 15 日の時点までの変化量の最小二乗平均(±SE)は,SAGE-217 群が -17.4±1.3 点,プラセボ群が -10.3±1.3 点であった(変化量における最小二乗平均の差 -7.0 点,95%信頼区間 -10.2~-3.9,P<0.001).副次的エンドポイントの差は全般的に主要エンドポイントと同様の傾向を示した.重篤な有害事象はみられなかった.SAGE-217 群でとくに頻度が高かった有害事象は,頭痛,めまい,悪心,傾眠であった.

結 論

SAGE-217 の 14 日間の連日投与により,15 日の時点での抑うつ症状が軽減した.有害事象の頻度は SAGE-217 群のほうがプラセボ群よりも高かった.大うつ病性障害に対する SAGE-217 の効果の持続性と安全性を検討し,SAGE-217 と既存の治療薬とを比較するためには,さらなる試験が必要である.(セージ セラピューティクス社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03000530)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2019; 381 : 903 - 11. )