September 5, 2019 Vol. 381 No. 10
静脈瘤に対する治療法を比較した無作為化試験の 5 年転帰
Five-Year Outcomes of a Randomized Trial of Treatments for Varicose Veins
J. Brittenden and Others
一次性静脈瘤の治療に,静脈内レーザー焼灼術と超音波ガイド下フォーム硬化療法が手術に代わる方法として推奨されているが,長期的な相対的有効性については不確実性が残っている.
英国の 11 施設で一次性静脈瘤を有する参加者 798 例を対象に行った無作為化比較試験において,レーザー焼灼術,フォーム硬化療法,手術の転帰を比較した.5 年の時点における主要評価項目は,疾患特異的 QOL,包括的 QOL,ならびに費用対効果とした.費用対効果は参加者の治療費と EuroQol 5 項目(EQ-5D)質問票スコアのデータを用いて算出した予測費用と質調整生存年(QALY)獲得のモデルに基づいた.
QOL 質問票には 798 例中 595 例(75%)が回答した.ベースラインスコアとその他の共変量で補正後,アバディーン静脈瘤質問票スコア(範囲は 0~100 で,低いほど QOL が良好であることを示す)は,レーザー焼灼術または手術を受けた患者のほうがフォーム硬化療法を受けた患者よりも低かった(効果量 [補正後の群間差]:レーザー焼灼術 対 フォーム硬化療法 -2.86,95%信頼区間 [CI] -4.49~-1.22,P<0.001;手術 対 フォーム硬化療法 -2.60,95% CI -3.99~-1.22,P<0.001).包括的 QOL の指標に治療群間で差は認められなかった.支払意思額の閾値を 1 QALY あたり 20,000 ポンド(28,433 米ドル)とした場合,費用対効果モデルの反復の 77.2%でレーザー焼灼術が優れていた.フォーム硬化療法と手術の 2 者比較では,同モデルの反復の 54.5%で手術が優れていた.
静脈瘤に対する治療法を比較した無作為化試験において,治療後 5 年の疾患特異的 QOL は,レーザー焼灼術または手術のほうがフォーム硬化療法よりも良好であった.支払意思額を 1 QALY あたり 20,000 ポンド(28,433 ドル)とした場合,費用対効果確率モデルの反復の大多数でレーザー焼灼術が優れていた.(英国国立医療研究機構から研究助成を受けた.CLASS 試験:Current Controlled Trials 登録番号 ISRCTN51995477)