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October 27, 2022 Vol. 387 No. 17

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II~IV 期の有棘細胞癌に対する術前補助療法としてのセミプリマブ
Neoadjuvant Cemiplimab for Stage II to IV Cutaneous Squamous-Cell Carcinoma

N.D. Gross and Others

背景

有棘細胞癌患者にセミプリマブ(cemiplimab)を術前補助療法として 2 回投与したパイロット試験では,高い割合で病理学的完全奏効が得られた.その知見を確認するためには,第 2 相試験のデータが必要である.

方 法

II 期,III 期,または IV 期(遠隔転移なし [M0])の切除可能な有棘細胞癌患者を対象として,第 2 相検証的多施設共同非無作為化試験を行い,術前補助療法としてのセミプリマブを評価した.患者には,根治を目指した手術を行う前に,セミプリマブを 350 mg の用量で 3 週ごとに最大 4 回投与した.主要評価項目は,中央検査室での独立した判定による病理学的完全奏効(手術標本に生存腫瘍細胞が存在しない)とし,患者の 25%で病理学的完全奏効が得られるという帰無仮説を立てた.主な副次的評価項目は,独立した判定による病理学的大奏効(手術標本に残存する生存腫瘍細胞が 10%以下),現地の検査室での試験担当医師の評価による病理学的完全奏効と病理学的大奏効,画像上の客観的奏効,有害事象などとした.

結 果

79 例が登録され,術前補助療法としてセミプリマブの投与を受けた.独立した判定では,病理学的完全奏効は 40 例(51%,95%信頼区間 [CI] 39~62),病理学的大奏効は 10 例(13%,95% CI 6~22)で得られた.これらの結果は,試験担当医師の評価による病理学的奏効の判定結果と一致していた.画像上の客観的奏効は 54 例(68%,95% CI 57~78)で得られた.試験期間中,試験治療に起因したかにかかわらず発現した,全グレードの有害事象は 69 例(87%)あり,グレード 3 以上の有害事象は 14 例(18%)あった.

結 論

切除可能な有棘細胞癌患者において,セミプリマブによる術前補助療法は,高い割合で病理学的完全奏効が得られることと関連した.(リジェネロン ファーマシューティカルズ社,サノフィ社から研究助成を受けた.ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04154943)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2022; 387 : 1557 - 68. )