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October 16, 2025 Vol. 393 No. 15

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子宮頸癌に対するセンチネルリンパ節生検の単独施行とリンパ節郭清追加との比較
Sentinel-Lymph-Node Biopsy Alone or with Lymphadenectomy in Cervical Cancer

H. Tu and Others

背景

子宮頸癌に対し,センチネルリンパ節生検のみを行った場合と,リンパ節郭清を追加で行った場合とで,生存転帰を比較したデータは少ない.

方 法

多施設共同無作為化非劣性試験で,2009 年国際産婦人科連合(FIGO)分類 IA1 期(リンパ管侵襲を伴う),IA2 期,IB1 期,IIA1 期いずれかの子宮頸癌患者を組み入れた.手術時にセンチネルリンパ節生検を行い,凍結切片による組織診断を行った.センチネルリンパ節転移陰性の患者を,術中に骨盤リンパ節郭清を行わない群(生検単独群)と,リンパ節郭清を行う群(リンパ節郭清群)に 1:1 の割合で割り付けた.全例に子宮摘出術を行い,統一プロトコルに従って術後補助療法を行った.主要評価項目は 3 年無病生存率とし,事前に規定した非劣性マージンは,リンパ節郭清群と生検単独群との差の信頼区間の上限 5 パーセントポイントとした.副次的評価項目は,後腹膜リンパ節再発,癌特異的生存,手術合併症などとした.

結 果

838 例が無作為化され,420 例が生検単独群,418 例がリンパ節郭清群に割り付けられた.追跡期間中央値は 62.8 ヵ月であった.3 年無病生存率は,リンパ節郭清群 94.6%,生検単独群 96.9%であった(差 -2.3 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] -5.0~0.5,非劣性の P<0.001).3 年癌特異的生存率は,生検単独群 99.2%,リンパ節郭清群 97.8%であった(競合リスク解析における癌死のハザード比 0.37,95% CI 0.15~0.95).後腹膜リンパ節の再発は,生検単独群では 0 例,リンパ節郭清群では 9 例(2.2%)に生じた.生検単独群では,リンパ囊胞の発現率がリンパ節郭清群よりも低く(8.3% 対 22.0%,P<0.001),リンパ浮腫(5.2% 対 19.1%,P<0.001),感覚異常(4.0% 対 8.4%,P=0.009),疼痛(2.6% 対 7.9%,P=0.001)の発現率も低かった.

結 論

早期子宮頸癌患者において,センチネルリンパ節生検の単独施行は,無病生存に関して,リンパ節郭清を追加した場合に対して非劣性であり,合併症がより少ないことと関連した.(広州市科学技術局ほかから研究助成を受けた.PHENIX 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02642471)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 1463 - 74. )