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October 16, 2025 Vol. 393 No. 15

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全身性エリテマトーデスに対するテリタシセプトの第 3 相試験
A Phase 3 Trial of Telitacicept for Systemic Lupus Erythematosus

R.F. van Vollenhoven and Others

背景

テリタシセプト(telitacicept)は,B リンパ球刺激因子(BLyS)と APRIL(増殖誘導リガンド)の 2 つのサイトカインを阻害する新薬であり,活動性全身性エリテマトーデス(SLE)の成人を対象とした第 2b 相試験で標準療法に追加した場合に,有効性を示した.

方 法

中国で第 3 相試験を行い,活動性 SLE の成人を,標準療法に加えて,テリタシセプト(160 mg)を週 1 回,52 週間皮下投与する群と,プラセボを投与する群に(1:1 の割合で)無作為に割り付けた.52 週の時点での主要評価項目は修正 SLE 反応指標 4(SRI-4)での反応とした.SRI-4 は複合指標であり,「反応」の定義は,エリテマトーデスに対するエストロゲンの安全性に関する全米評価–全身性エリテマトーデス疾患活動性指標(SELENA-SLEDAI)スコア(0~105 で,値が高いほど疾患活動性が高いことを示す)が 4 ポイント以上改善していること,英国諸島ループス評価グループ(BILAG)指標による評価で新たな疾患活動性が出現していないこと,医師による全般的評価(PGA)スコアが悪化していないことであった.

結 果

スクリーニングを受けた 433 例のうち,335 例が無作為化された(テリタシセプト群 167 例,プラセボ群 168 例).52 週の時点で修正 SRI-4 反応が認められた参加者は,テリタシセプト群のほうがプラセボ群よりも有意に多かった(67.1% 対 32.7%,補正後の差 34.5 パーセントポイント,95%信頼区間 [CI] 24.3~44.7,P<0.001).SELENA-SLEDAI スコアがベースラインから 4 ポイント以上改善した参加者の割合は,テリタシセプト群 70.1%,プラセボ群 40.5%であった(差 29.6 パーセントポイント,95% CI 13.1~46.1).試験担当医師により試験レジメンに関連すると評価された有害事象の発現頻度は,テリタシセプト群のほうがプラセボ群よりも高かった(74.9% 対 50.0%).このうち,テリタシセプト群のほうがプラセボ群よりも発現頻度が高かった事象は,上気道感染症(31.7% 対 19.0%),血清 IgG 低下(15.6% 対 1.2%),血清 IgM 低下(15.0% 対 0.6%),注射部位反応(12.6% 対 0.6%)であった.

結 論

活動性 SLE を有し,標準療法を受けている参加者を対象とした 52 週間の試験で,臨床反応の出現率は,テリタシセプト群のほうがプラセボ群よりも高かった.しかし,上気道感染症,免疫グロブリン低下,注射部位反応の発現率も,テリタシセプト群のほうが高かった.(レメジェン社から研究助成を受けた.18C010 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04082416)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2025; 393 : 1475 - 85. )