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October 23, 2025 Vol. 393 No. 16
米国退役軍人における 2024~25 年の Covid-19 ワクチンと Covid-19 の転帰との関連
Association of 2024–2025 Covid-19 Vaccine with Covid-19 Outcomes in U.S. Veterans
M. Cai, Y. Xie, and Z. Al-Aly
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス 2(SARS-CoV-2)感染の臨床的重症度が低下し,市民の年 1 回の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)ワクチン接種率が低下しているなか,臨床的に重要な転帰に対するワクチンの有効性について,最新のエビデンスが必要である.
2024~25 年の Covid-19 ワクチンの有効性を評価するため,米国退役軍人省の電子診療録を用いて,2024 年 9 月 3 日~12 月 31 日に,Covid-19 ワクチンとインフルエンザワクチンを同日に接種した退役軍人(164,132 例)と,インフルエンザワクチンのみを接種した退役軍人の実薬対照群(131,839 例)の観察研究を行った.参加者を,180 日間または転帰発生の,いずれか先に発生した時点まで追跡した.逆確率で重み付けしたモデルを用いて,Covid-19 関連の救急部受診,入院,死亡に対する 6 ヵ月の時点でのワクチン有効率を推定した(1 からリスク比を引いて算出).
追跡期間 6 ヵ月の時点で,ワクチン有効率の推定値は,Covid-19 関連の救急部受診に対しては 29.3%(95%信頼区間 [CI] 19.1~39.2)であり(10,000 人あたりのリスク差 18.3,95% CI 10.8~27.6),Covid-19 関連の入院に対しては 39.2%(95% CI 21.6~54.5)であり(10,000 人あたりのリスク差 7.5,95% CI 3.4~13.0),Covid-19 関連の死亡に対しては 64.0%(95% CI 23.0~85.8)であった(10,000 人あたりのリスク差 2.2,95% CI 0.5~6.9).これらの転帰の複合に対するワクチン有効率は 28.3%(95% CI 18.2~38.2)で,10,000 人あたりのリスク差は 18.2(95% CI 10.7~27.5)であった.事前に規定した,年齢(65 歳未満,65~75 歳,75 歳超),主要な併存疾患の有無,免疫能の状態に基づいて定義したサブグループ全体でも,Covid-19 ワクチンはこれらの転帰のリスクが低いことと関連した.
米国退役軍人の全米コホートにおいて,2024~25 年の Covid-19 ワクチン接種は,重症の臨床転帰をとるリスクが低いことと関連した.(米国退役軍人省から研究助成を受けた.)







