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December 4, 2025 Vol. 393 No. 22
市中肺炎に対するグルココルチコイドの実用的試験
A Pragmatic Trial of Glucocorticoids for Community-Acquired Pneumonia
R.K. Lucinde and Others
資源が豊富な環境では,重症市中肺炎(CAP)に対するグルココルチコイドの補助的使用により,患者の死亡率が低下する可能性がある.このような治療が,診断・治療設備が限られた,資源の乏しい環境においても有益であるかは明らかでない.
ケニアの 18 の公立病院で実用的非盲検無作為化比較試験を行い,CAP と診断され,グルココルチコイドの明確な適応がない成人患者を,CAP の標準治療を行う群と,標準治療に加えて低用量グルココルチコイドを 10 日間経口投与する群に割り付けた.主要転帰は,登録後 30 日の時点での全死因死亡とした.
2,180 例が無作為化された(グルココルチコイド群 1,089 例,標準治療群 1,091 例).年齢中央値は 53 歳(四分位範囲 38~72)であり,46%が女性であった.30 日の時点で,死亡は 530 例(24.3%)報告され,グルココルチコイド群では 246 例(22.6%),標準治療群では 284 例(26.0%)であった(ハザード比 0.84,95%信頼区間 0.73~0.97,P=0.02).有害事象と重篤な有害事象の発現頻度は 2 群で同程度であった.グルココルチコイド投与に関連すると判断された重篤な有害事象は,5 例(0.5%)に発現した.
資源の乏しい環境の CAP 患者において,グルココルチコイドを補助的に使用した場合,標準治療のみを行った場合よりも死亡リスクが低いことと関連した.(ウェルカムトラストほかから研究助成を受けた.SONIA 試験:PACTR 番号 PACTR202111481740832,ISRCTN 番号 ISRCTN36138594)







