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December 4, 2025 Vol. 393 No. 22
2025~26 年の Covid-19,RS ウイルス,インフルエンザワクチンに関する最新のエビデンス
Updated Evidence for Covid-19, RSV, and Influenza Vaccines for 2025–2026
J. Scott and Others
米国におけるワクチン諮問プロセスの変更により,予防接種の指針が混乱をきたしている.2025~26 年のシーズン中の呼吸器系ウイルスに対する予防接種に関する決定に際し,情報源として,独立したエビデンスレビューの必要性が高まっている.
新型コロナウイルス感染症(Covid-19),RS ウイルス(respiratory syncytial virus:RSV),インフルエンザに対して,米国で認可されている予防接種のシステマティックレビューを行った.各疾患に関する予防接種諮問委員会(ACIP)Evidence-to-Recommendations による最新のレビューにアップデートされたものはないか,PubMed/MEDLINE,Embase,Web of Science のデータベースを検索した.アップデートは,2023~24 年に行われていた.転帰は,入院予防におけるワクチンの無作為化比較試験または観察研究での有効性,その他の臨床エンドポイント,安全性などであった.
特定された 17,263 件の文献のうち,511 件の研究が組入れ基準を満たした.XBB.1.5 サブバリアントに対する Covid-19 mRNA ワクチンの,入院予防における統合した有効率は,成人で 46%(95%信頼区間 [CI] 34~55,コホート研究の成人)および 50%(95% CI 43~57,症例対照研究の成人)であり,免疫不全の成人で 37%(95% CI 29~44)であった.症例対照研究では,KP.2 サブバリアントに対するワクチンの有効率は 68%(95% CI 42~82)であった.RSV ワクチンの母親への接種(乳児を保護する目的),乳児に対するニルセビマブ,60 歳以上に対する RSV ワクチンの,入院予防における有効率は 68%以上であった.インフルエンザワクチン接種の,入院予防における統合した有効率は,18~64 歳で 48%(95% CI 39~55),小児で 67%(95% CI 58~75)であった.安全性プロファイルはこれまでの評価と一致していた.Covid-19 ワクチンに関連した心筋炎は,思春期男児では接種 100,000 回あたり 1.3~3.1 件の率で診断され,接種間隔が長いほどリスクが低かった.RSVpreF ワクチンは,高齢者において,ギラン–バレー症候群の症例が接種 100 万回あたり 18.2 例増加することと関連した.妊娠 32~36 週でのワクチン接種と,早産とのあいだに有意な関連は認められなかった.
現在も査読が続けられているエビデンスは,2025~26 年のシーズンにおける,Covid-19,RSV,インフルエンザの予防接種の安全性と実臨床での有効性を支持している.(感染症研究政策センター,アルンブラ イノベーション財団から研究助成を受けた.)







