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December 18, 2025 Vol. 393 No. 24
筋層浸潤性膀胱癌に対する ctDNA を指標とするアテゾリズマブ術後補助療法
ctDNA-Guided Adjuvant Atezolizumab in Muscle-Invasive Bladder Cancer
T. Powles and Others
筋層浸潤性膀胱癌患者では,膀胱切除術後の転帰はさまざまである.血中循環腫瘍 DNA(ctDNA)検査により分子的残存病変を検出することで,膀胱切除術後の再発リスクが高く,術後補助免疫療法の利益が得られる可能性のある患者が同定される.これにより,リスクが低い患者は不要な治療負担を回避することができる.
第 3 相二重盲検無作為化試験で,術後の X 線像で病変が認められない筋層浸潤性膀胱癌患者を,ctDNA 検査を連続的に行いモニタリングした(最長 1 年間).サーベイランス期間中に ctDNA 陽性となった適格患者を,アテゾリズマブを 4 週ごとに最長 1 年間静脈内投与する群と,プラセボを投与する群に 2:1 の割合で無作為に割り付けた.主要評価項目は試験担当医師が評価した無病生存とした.全生存を副次的評価項目とし,α値を制御するために階層的に評価した.ctDNA 陰性が持続している患者には,アテゾリズマブもプラセボも投与しなかった.
761 例が登録され,ctDNA 陽性で適格となった 250 例が無作為化された(アテゾリズマブ群 167 例,プラセボ群 83 例).無病生存期間の中央値は,アテゾリズマブ群では 9.9 ヵ月であったのに対し,プラセボ群では 4.8 ヵ月であった(初回疾患再発または死亡のハザード比 0.64,95%信頼区間 [CI] 0.47~0.87,P=0.005).全生存期間の中央値は,アテゾリズマブ群では 32.8 ヵ月であったのに対し,プラセボ群では 21.1 ヵ月であった(死亡のハザード比 0.59,95% CI 0.39~0.90,P=0.01).グレード 3 または 4 の有害事象は,アテゾリズマブの投与を受けた患者の 28%と,プラセボの投与を受けた患者の 22%に発現し(アテゾリズマブ関連 7% 対 プラセボ関連 4%),致死的有害事象はそれぞれ 3%と 2%に発現した(アテゾリズマブ関連 2% 対 プラセボ関連 0%).ctDNA 陰性状態が持続した 357 例については,1 年間のモニタリングが終了した時点での無病生存率は 95%であり,2 年の時点では 88%であった.
筋層浸潤性膀胱癌患者に対し,ctDNA を指標としてアテゾリズマブ術後補助療法を行った場合,プラセボを投与した場合と比較して,無病生存期間と全生存期間が有意に延長した.(エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社から研究助成を受けた.IMvigor011 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04660344)







