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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

August 29, 2002
Vol. 347 No. 9

  • 早産児に対する高頻度振動換気法
    High-Frequency Oscillatory Ventilation in Premature Infants

    早産児に対する高頻度振動換気法

    呼吸障害は,早産児でよくみられる.このような新生児の多くは,出生後数週間,機械的な人工換気補助を必要とする.しかし,この補助を行う最良の方法は不明である.英国で実施されたこの無作為臨床試験では,生存率,出生後 28 日目での酸素療法の必要性,換気による他の効果あるいは合併症のいずれにおいても,2 つの換気法のあいだに差はみられなかった.
    機械的な人工換気補助を要する超早産児において,高頻度振動換気法に伴うリスクと効果は,従来の機械的人工換気法と有意差はない.このような新生児に対する換気法の選択は,新生児をケアしている医療スタッフの経験に頼るのが最善である.

  • 超低出生体重児に対する高頻度振動換気法
    High-Frequency Oscillatory Ventilation for Very-Low-Birth-Weight Infants

    超低出生体重児に対する高頻度振動換気法

    米国の多施設で行われたこの無作為試験では,機械的換気補助が必要な新生児に対する高頻度振動換気法と呼吸同期性間欠的強制換気法を比較した.人工換気装置は厳密に確立されたプロトコルに従って調節された.高頻度振動換気法に割付けられた新生児 234 例では,呼吸同期性間欠的強制換気法に割付けられた新生児 250 例と比較して,最終月経から 36 週目に生存し,酸素補充を必要としていなかった割合は,わずかではあるが有意に高かった(P=0.046).有害事象の発症率には両群間で有意差はみられなかった.
    この試験では,高頻度振動換気法が,技術的経験を積んだ施設で行われた場合,呼吸同期性間欠的強制換気法よりもわずかに効果的であることを示している.経験を積んだ施設では,高頻度振動換気法は従来の人工換気法に比べてわずかに効果的である.

  • 腎移植レシピエントにおける腎性腺腫
    Nephrogenic Adenomas in Renal-Transplant Recipients

    腎移植レシピエントにおける腎性腺腫

    腎性腺腫は,血尿や排尿障害を引き起しうる尿路上皮性粘膜における良性増殖である.こうした腺腫の起源は不明である.腎移植片のレシピエントにおける腎性腺腫に関するこの詳細な研究から,全症例において,腺腫がドナー腎臓の性染色体をもち,腎尿細管細胞の免疫組織化学的特徴をもつことが示された.
    この研究は,下部尿路に播種しうる尿細管の生細胞が腎臓から脱落し,下部尿路で腫瘍様塊に成長しうることを示す確実な証拠を与えている.これらの腺腫は実際に腎尿細管のサテライトであるという著者らの示唆は,刺激的でありかつ説得力がある.

  • Special Article:体外受精の保険適用と転帰
    Special Article: Insurance Coverage and Outcomes of in Vitro Fertilization

    Special Article:体外受精の保険適用と転帰

    この研究では,体外受精サービスの保険適用に関する州の要求と,サービスの利用および転帰とのあいだの関連を評価した.完全適用を要求する州の不妊治療施設では,部分適用を要求する州やまったく保険適用を要求しない州の施設よりも新鮮胚移植を含む体外受精サイクルが有意に多く実施されていた.生児出生につながったサイクルの割合は,完全あるいは部分適用を必要とする州においてより低かったが,これらの州では,サイクル当りの胚移植の数がより少なく,また,3 胎以上を妊娠する割合がより低かった.
    体外受精に関して義務付けられた保険適用は,これらのサービスの利用増加と関連しており,このことは需要がまだ満たされていないことを示唆している.これらのデータは,保険適用を要求しない州における財政的制約が,妊娠の確率を最大限にするためにより多くの胚を移植することを招いている可能性も示唆している.多くの胚を移植することは高い多胎妊娠リスクを伴っている.

  • Clinical Practice:青年期うつ病
    Clinical Practice: Adolescent Depression

    16 歳の少年が,学校の成績が下がったため,両親によってプライマリケアの医師のところに連れて来られた.学校の成績は,少なくとも 3 年前から下がり始め,この 1 年でより深刻になってきている.少年は,倦怠感,楽しみや意欲の欠如,自尊心の低下,絶望感,睡眠困難,集中力の低下,および計画あるいは企図のない消極的自殺念慮を報告している.少年をどのように治療するべきだろうか?
    青年の約 5%が大うつ病を患っている.この論文では,うつ病の同定と治療に対するアプローチを概説している.