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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 1, 2004
Vol. 350 No. 1

  • 陰部ヘルペスの予防を目的としたバラシクロビル
    Valacyclovir to Prevent Genital Herpes

    陰部ヘルペスの予防を目的としたバラシクロビル

    この比較対照試験は,パートナーの一方が症候性の陰部の単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)に感染している,異性愛関係の男女 1,484 組を対象に行った.感染しているパートナーを 1 日 1 回バラシクロビルで治療することは,非感染パートナーの HSV-2 感染率の低下と関連していた(バラシクロビル群 1.9% 対 プラセボ群 3.6%).
    バラシクロビル療法は,HSV-2 の陰部粘膜表面への発現を減少させ,一方が HSV-2 に感染している男女で陰部ヘルペスの伝播率を低下させることができる.この治療戦略は,コンドームの使用および安全な性行為に追加されるものとして検討された.

    • オフポンプ冠動脈バイパス術
      Off-Pump Coronary-Artery Bypass Surgery

      冠動脈バイパス術では,心肺補助循環を使用すること(オンポンプ)で術野を無血にし,心臓を拍動しないようにできるが,神経認知機能障害のリスクを伴う可能性がある.そこで,代替法として「オフポンプ」術に関心が寄せられている.この単一施設研究により,オフポンプ術のほうが,オンポンプ術よりも 3 ヵ月後のグラフト開存率が低いことが明らかになった(88% 対 98%).
      このオフポンプ術にみられるグラフト開存率の低さは,オフポンプ術に関連する長期臨床転帰に有害な影響を与える.

      • 5-リポキシゲナーゼの遺伝子型,食事,そして粥状硬化症
        Genotypes of 5-Lipoxygenase, Diet, and Atherosclerosis

        炎症は粥状硬化に重大な役割を果すと考えられている.ロイコトリエンは,5-リポキシゲナーゼ酵素によりアラキドン酸から生成される,重要な炎症メディエーターである.この研究では,よくみられる対立遺伝子を欠損した 5-リポキシゲナーゼ遺伝子の変異型遺伝子が,頸動脈内膜‐中膜厚の増大と関連していることが明らかになった.アラキドン酸が多い食事により,内膜‐中膜厚に対する遺伝子の影響がさらに強まった.
        この研究から,粥状硬化症の病因に関与していると考えられる遺伝子と食事の相互作用が明らかになった.

      • CLINICAL PRACTICE

        • 感染性下痢症
          Infectious Diarrhea

          その他の点では健康な 23 歳の男性が,急性の水様性下痢を発症し受診している.下痢は 2 日間続いている.男性は,嘔吐はないが下痢に伴い悪心と激しい腹痛があると報告しており,38.7℃(101.7℉)の発熱がある.この男性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

        • 糖尿病性網膜症
          Diabetic Retinopathy

          糖尿病性網膜症

          糖尿病性網膜症による失明は糖尿病のもっとも深刻な眼合併症であるが,そのリスクは管理の進歩によって大幅に減少している.この総説は,管理の新たな面にとくに注目しながら,糖尿病性網膜症のさまざまな臨床症状の範囲について論じている.糖尿病はよくみられる疾患であることから,糖尿病性網膜症は,患者やそのケアを行う者にとって依然として重大な医学上の問題である.

        • CLINICAL PROBLEM-SOLVING

          • 双方とも真,かつ相互に関連あり
            True, True, and Related

            6 週間にわたり進行性の息切れを起していた 51 歳の女性が地域病院に入院した.女性はまず,職場で階段をのぼっていたさいに呼吸困難に気付き,入院時にはすでに,その呼吸困難のため約 4.6 m(15 ft)さえも歩けなくなっていた.

          SPECIAL REPORT

          • 医療に対する不満
            Dissatisfaction with Medical Practice

            この論文では,医療に対する不満を示す主観的および客観的指標を再検討している.医療従事者がかつてないほどの満足感を感じていた期間に続くこの 20 年間のあいだに,不満は大幅に増大したようである.不満の原因のいくつかとしては,マネージド・ケアシステムから受けるストレス,医療過誤危機,面倒な官僚的形式主義の悪化,そして絶え間ない時間的プレッシャーがある.しかし,ほとんどの医師は,依然として自身の仕事に満足している.