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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 15, 2004
Vol. 350 No. 3

ORIGINAL ARTICLE

  • 冠動脈疾患におけるパクリタキセル溶出ステント
    A Paclitaxel-Eluting Stent in Coronary Artery Disease

    冠動脈疾患におけるパクリタキセル溶出ステント

    ステントにコーティングを施す技術が,冠動脈ステント留置後の再狭窄予防における重要な進歩として台頭してきている.この臨床試験は,金属ステントよりもパクリタキセルでコーティングしたポリマーベースのステントのほうが,ステント留置後の再狭窄率を大きく低下させることを示している.
    先行研究で,シロリムス溶出ステントも再狭窄の低下にきわめて有効であることが示されており,これら 2 種類のステントを直接比較する試験の実施が重要となるであろう.

  • 経皮的冠動脈介入における抗血小板療法
    Antiplatelet Therapy in Percutaneous Coronary Intervention

    抗血小板療法は,虚血性合併症の発生の減少と転帰改善を目的として,冠動脈血管形成術および冠動脈ステント留置術を受ける患者の補助療法として使用されている.待機的な冠動脈ステント挿入に関するこの試験では,患者にアスピリンとクロピドグレルによる前治療を行い,その後糖蛋白 IIb/IIIa 阻害薬アブシキシマブまたはプラセボのいずれかの投与に無作為に割付けた.アブシキシマブは,アスピリンとクロピドグレルの併用に有益な効果を付加しなかった.
    待機的な冠動脈ステント挿入を受ける患者にアスピリンとクロピドグレルによる前治療を行う場合,アブシキシマブを一緒に投与する必要はない.この知見により抗血小板療法が容易になる.

  • Campylobacter jejuni と関連した免疫増殖性小腸疾患
    Immunoproliferative Small Intestinal Disease Associated with Campylobacter jejuni

    免疫増殖性小腸疾患は,抗菌薬に反応する消化管リンパ腫の一種であり,細菌によって引き起される可能性がある.著者らは,免疫増殖性小腸疾患患者から採取した消化管組織標本中に Campylobacter jejuni を同定した.この病原体は,抗菌薬治療により 8 日後には検出不可能になった.別の免疫増殖性小腸疾患患者から採取した保存組織標本 6 例中 4 例からも,カンピロバクターが検出された.
    この研究は,C. jejuni が免疫増殖性小腸疾患を引き起す可能性について,予備的な証拠を提供するものである.

  • 脳嚢虫症に対する抗寄生虫薬治療
    Antiparasitic Treatment of Cerebral Cysticercosis

    脳嚢虫症に対する抗寄生虫薬治療

    神経嚢虫症は,世界的にみててんかん発作の主因である.10 日間のアルベンダゾール投与に関するこの二重盲検試験では,30 ヵ月間追跡調査を行った.抗寄生虫薬治療により,部分発作回数の若干の減少と全般発作回数の有意な減少がみられた.
    神経嚢虫症に対する抗寄生虫薬治療の実施には,依然として議論の余地があるかもしれない.治療は安全であるが,恩恵を受けられるのは治療を受けた患者の一部のみである.

CLINICAL PRACTICE

  • 強迫性障害
    Obsessive-Compulsive Disorder

    33 歳の女性は,1 日 2~6 時間手を洗うという状態が 7 年間続いており,外出前に何度も戸締りやガスレンジを点検せずにはいられない.女性の生活は制限され,家族は女性の行動に困惑している.この女性をどのように評価し,治療すべきであろうか?

SPECIAL REPORT

  • 基本和解合意後のたばこ規制
    Tobacco Control in the Wake of the Master Settlement Agreement

    基本和解合意後のたばこ規制

    この“Special Report”では,州政府とたばこ業界間で 1998 年に成立した,基本和解合意がもたらした影響について論じている.州政府の財政危機という現況の中,喫煙を減らすことを目的としたプログラムに費やされる和解金の割合は減少しつつある.この報告では,地域,州,そして連邦政府によるたばこ規制政策の概要を示し,また,課税,禁煙,公共の場での喫煙の禁止,国際貿易政策に焦点を合せた最近の進展についても概説している.

HEALTH POLICY REPORT

  • 医療過誤
    Medical Malpractice

    この“Health Policy Report”では,米国の医療過誤に関する制度について説明し,その欠点を検討している.また,過去および現在の医療過誤危機を引き起してきた原因について分析している.著者らは,米国の医療過誤に関する制度を改善するための選択肢を再検討している.従来の法律の改善には,損害賠償の上限,弁護士報酬の制限,出訴期限の短縮が含まれている.専門家はまた,企業賠償責任や行政賠償などの大規模な制度改革を提案している.