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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

October 14, 2004
Vol. 351 No. 16

ORIGINAL ARTICLES

  • 腹部大動脈瘤の血管内修復
    Endovascular Repair of Abdominal Aortic Aneurysms

    腹部大動脈瘤の血管内修復

    瘤径 5 cm を超える腹部大動脈瘤には,一般的に外科手術による治療を行う.この試験では,開腹手術と,より侵襲の少ない,大腿動脈を介して行う血管内修復術(ステントグラフト内挿術)とを比較した.30 日後,死亡率と重篤な合併症の発生率は,開腹群よりも血管内修復群で有意に低かった.
    手術死亡率は減少しているが,これらの成績が持続するか否かを確認するには,長期間の追跡調査が必要である.

  • 成長パターンと乳癌のリスク
    Growth Patterns and the Risk of Breast Cancer

    この研究では,デンマーク人女性 117,415 人を対象に,学校での健康記録を用いて,乳癌と小児期の成長パターンとの関連性を分析した.出生時体重が重いこと,成長のピークが低年齢であること,14 歳時の身長が高いことと体格指数が低いことは,すべて,成人期の乳癌の独立した危険因子であった.これらの関連のメカニズムは不明であるが,このデータは,小児期の成長が,成人してからの乳癌のリスクに影響を及ぼすことを示している.

  • 僧帽弁閉鎖不全症と急性肺水腫
    Mitral Regurgitation and Acute Pulmonary Edema

    虚血性心疾患の患者において,僧帽弁閉鎖不全は動的現象である可能性があり,逆流量は負荷状態や左室形状の変化に基づいて増減する.この研究では,僧帽弁逆流の重症度の一時的な悪化が,急性肺水腫の発症機序に重要な役割を果す可能性があることが示されている.僧帽弁逆流を軽減,または予防するための介入が有効となる可能性がある.

  • 乳児における心肺バイパス回路の初期充填
    Circuit Priming for Cardio- pulmonary Bypass in Infants

    米国では,先天性心疾患に対する再建術が年間約 2 万件行われ,その多くが心肺バイパスを用いて実施されている.バイパス回路は使用前に,新鮮全血または赤血球製剤と新鮮凍結血漿から成る再生血液のいずれかで充填する必要がある.この研究では,これら 2 つの初期充填法を比較し,新鮮全血は再生血液に比べ優位ではないこと,それどころか不利益となる可能性があることが明らかになった.

CURRENT CONCEPTS

  • 人工関節感染症
    Prosthetic-Joint Infections

    人工関節感染症

    人工関節に関連した感染症の発生頻度は近年の技術により低下しているが,そのような感染症は,依然として臨床管理上困難な問題を引き起している.バイオフィルムの解明や,微生物とインプラントで相互作用が起きる機序の解明がすすんだことで,治療に対しより合理的なアプローチが取られるようになってきた.この総説では,正確に診断を確定するための指針や,適切な内科的・外科的選択肢をまとめたアルゴリズムを示している.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 肺動脈性肺高血圧症
    Pulmonary Arterial Hypertension

    肺高血圧症の機序に関するこの総説では,肺動脈性肺高血圧症に焦点を当てる.肺動脈性肺高血圧症は,特発性であるか,ヒト免疫不全ウイルス感染など他の疾患に関連して生じる可能性がある.著者らは,トランスフォーミング増殖因子 β を介した細胞内シグナル伝達の異常が,さまざまな形態の肺動脈性肺高血圧症の根底にあることを示唆している.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 共生細菌と腸管上皮
    Commensal Bacteria and the Intestinal Epithelium

    最近の研究で,共生細菌は腸管上皮を完全な状態に保つのに不可欠であることが示されている.この知見は,炎症性腸疾患に対するわれわれの理解に影響を与える.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 低酸素血症を呈する 4 歳男児
    A Four-Year-Old Boy with Hypoxemia

    低酸素血症を呈する 4 歳男児

    4 歳の男児が,熱発時に低酸素血症をきたしたことがわかった.診察では,手足にばち指がみられた.画像検査では,肺浸潤は認められなかった.肺血流スキャンでは,右左シャントが認められた.診断検査が行われた.