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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

September 22, 2005
Vol. 353 No. 12

ORIGINAL ARTICLE

  • 慢性統合失調症患者における抗精神病薬の有効性
    Effectiveness of Antipsychotic Drugs in Patients with Chronic Schizophrenia

    この研究では,慢性統合失調症患者を対象に,第二世代の抗精神病薬 4 種(オランザピン,リスペリドン,クエチアピン,ジプラシドン)の有効性を,従来から用いられている薬剤ペルフェナジンの有効性と比較した.オランザピンはもっとも有効な薬剤であったが,体重がより増加しやすく,代謝に及ぼす有害作用がより大きかった.ペルフェナジンは,リスペリドン,クエチアピン,ジプラシドンと同程度に有効であった.

  • 前立腺癌における自己抗体サイン
    Autoantibody Signatures in Prostate Cancer

    この論文は,前立腺癌患者の血清中に存在する,前立腺癌抗原に対する自己抗体の新しい検出法について報告している.この方法は,前立腺特異抗原に対する標準的検査に情報を加える可能性がある.

  • 早期梅毒に対するアジスロマイシン単回投与
    Single-Dose Azithromycin for Early Syphilis

    タンザニアの早期梅毒患者を対象としたこの無作為試験で,アジスロマイシン 2 g による治療の治癒率は,ペニシリン G ベンザチン治療の治癒率と,9 ヵ月(それぞれ 97.7%,95.0%),6 ヵ月(それぞれ 85.5%,81.5%)の時点でいずれも同等であることが明らかになった.この単回経口投与レジメンは,滅菌器具や訓練された医療従事者が不足している環境では,とくに有用であると考えられる.

BRIEF REPORT

  • 黄色ブドウ球菌敗血症とウォーターハウス・フリードリクセン症候群
    Staphylococcus aureus Sepsis and the Waterhouse-Friderichsen Syndrome

    この報告は,黄色ブドウ球菌による重度の敗血症で死亡した小児 3 例について述べている.患児は,壊死性肺炎,凝固障害,心血管虚脱を伴う急激な進行を示した後,死亡した.剖検では 3 例すべてで,ウォーターハウス・フリードリクセン症候群として知られる,梗塞を伴う出血が両側副腎にみられた.この 3 例の所見は,通常は劇症髄膜炎菌血症でみられる所見に類似している.

CLINICAL PRACTICE

  • HDL コレステロールの低値
    Low HDL Cholesterol Levels

    脂質代謝異常,高血圧,そして 4 年前に心筋梗塞の既往がある 41 歳の男性が,治療方針を決めるために来院している.総コレステロール値は 155 mg/dL(4.01 mmol/L),低比重リポ蛋白コレステロール値は 72 mg/dL(1.86 mmol/L),高比重リポ蛋白(HDL)コレステロール値は 28 mg/dL(0.72 mmol/L),トリグリセリド値は 277 mg/dL(3.13 mmol/L)である.どのような治療を行えば,この患者の HDL コレステロール値は上昇するであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • 原発性胆汁性肝硬変
    Primary Biliary Cirrhosis

    原発性胆汁性肝硬変は,進行が緩やかな自己免疫性肝疾患で,肝門脈の炎症,肝内胆管の免疫性破壊を特徴とし,胆汁分泌の減少や毒性物質の肝臓内残留を引き起す.この総説では,原発性胆汁性肝硬変に関与する自己免疫反応およびその治療法に関する,新しいデータについて考察している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 眼窩周囲の腫脹,発疹,筋力低下がみられる男性
    A Man with Periorbital Swelling, Rash, and Weakness

    68 歳の男性が,発疹とそれに続く眼窩周囲の腫脹,および筋力低下に気付いた.入院の数ヵ月前,意図せずに体重が減少し,医師により貧血が認められた.消化器系の癌に対する評価の結果は陰性であった.腹部 CT 検査で脾臓と後腹膜に腫瘤が認められた.診断検査が行われた.