- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
December 22, 2005
Vol. 353 No. 25
ORIGINAL ARTICLE
-
1 型糖尿病患者における糖尿病の強化療法と心血管疾患
Intensive Diabetes Treatment and Cardiovascular Disease in Patients with Type 1 Diabetes観察に基づく糖尿病への介入と合併症に関する疫学研究(EDIC)では,糖尿病のコントロールと合併症に関する試験(DCCT)終了後,平均 17 年間のデータを解析した.1 型糖尿病患者の心血管疾患の有病率は,強化療法を受けた患者のほうが,従来の治療を受けた患者よりもはるかに低かった.糖尿病の強化療法は,1 型糖尿病患者の心血管疾患発症率に対し,長期にわたる有益な効果を示す.
-
エフェクターメモリー T 細胞,初期転移,そして大腸癌の生存率
Effector Memory T Cells, Early Metastasis, and Survival in Colorectal Cancer大腸癌患者を対象としたこの研究では,初期の転移性浸潤を示す病理学的徴候が予後不良を予測した一方で,これらの徴候がみられないことは良好な予後と関連していた.腫瘍に初期の転移性浸潤を示す徴候がみられない患者では,T 細胞による免疫応答を示す徴候が認められた.
BRIEF REPORT
-
トリインフルエンザにおけるオセルタミビル耐性
Oseltamivir Resistance in Avian Fluインフルエンザに感染し,抗ウイルス治療を行ったにもかかわらず死亡したベトナム人患者 2 例から,ノイラミニダーゼのアミノ酸置換により,オセルタミビルに高度耐性となった A(H5N1)型インフルエンザウイルスが分離された.オセルタミビル耐性は,治療を早期に,推奨用量で開始した場合に出現する可能性がある.これらの知見は,トリインフルエンザを抑制するための治療に影響を及ぼす可能性がある.
SPECIAL ARTICLE
-
医学部での自覚を欠いた行動
Unprofessional Behavior in Medical Schoolこの大規模な症例対照研究において,開業医の懲戒処分は,医学部の学生における自覚を欠いた行動と関連することが見出された.もっとも強く関連していたのは,医学部在学中の重度の無責任さであった.この知見から,医学部志願者を評価し,入学後は医学部履修課程の必須要素としてプロ意識を教え,身に付けさせる必要性が強調される.
DRUG THERAPY
-
成人における一酸化窒素吸入療法
Inhaled Nitric Oxide Therapy in Adults強力な血管拡張物質である一酸化窒素(NO)は,治療効果が期待されているものの成人ではその効果は依然不明であり,承認された適応は小児医療に限定されている.この総説では,吸入された一酸化窒素の生物学的作用,成人に対する投与の臨床適応,治療法として発展する可能性に対する評価について考察している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
梅毒血清検査陽性で好酸球増加が持続する女性
A Woman with a Positive Serologic Test for Syphilis and Persistent Eosinophiliaカメルーン出身の 63 歳の女性が,梅毒血清検査陽性で末梢血好酸球増加が持続していたため,感染症専門医に紹介された.ルーチンの胸部 X 線検査で,さらに石灰化を伴う大動脈拡張が認められた.糞便検査で寄生虫感染が判明し,これに対する治療が行われたが,好酸球増加は持続した.診断検査が行われた.
CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH
-
紫外線 A 波と扁平上皮癌への感受性
Ultraviolet A Radiation and Susceptibility to Squamous-Cell Carcinomaアザチオプリンは,移植レシピエントの治療によく用いられる免疫抑制薬である.最近の研究では,アザチオプリンが,紫外線 A 波に対する皮膚細胞の DNA の感受性を高めることが示唆されている.