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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 4, 2008
Vol. 359 No. 23

ORIGINAL ARTICLE

  • 高リスク高血圧患者に対するベナゼプリル+アムロジピンとベナゼプリル+ヒドロクロロチアジドの比較
    Benazepril plus Amlodipine or Hydrochlorothiazide for Hypertension in High-Risk Patients

    高血圧に対する至適な薬物併用療法は確立されていないが,米国の現行ガイドラインでは利尿薬を組み入れることが推奨されている.高リスクの高血圧患者を,ベナゼプリル+アムロジピン併用群とベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド併用群に無作為に割り付けたこの二重盲検試験において,ベナゼプリル+アムロジピンは,ベナゼプリル+ヒドロクロロチアジドに比べて,心血管イベントを減少させるうえで優れていることが示された.

  • 進行 C 型慢性肝炎に対する低用量ペグインターフェロンを用いた長期療法
    Prolonged Therapy of Advanced Chronic Hepatitis C with Low-Dose Peginterferon

    C 型慢性肝炎で,ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法では持続的ウイルス学的反応が得られなかった患者を,3.5 年にわたり低用量ペグインターフェロンの維持療法を行う群と,治療を行わない群に無作為に割り付けた.ペグインターフェロン投与群で臨床転帰と組織学的な転帰が改善することはなかった.これらの結果は,初回治療で持続的ウイルス学的反応が得られなかった患者に対する,ペグインターフェロンの長期投与を支持するものではない.

  • B 型慢性肝炎に対するテノホビルジソプロキシルフマル酸塩とアデホビルジピボキシルの比較
    Tenofovir Disoproxil Fumarate versus Adefovir Dipivoxil for Chronic Hepatitis B

    B 型慢性肝炎患者に対して,テノホビルジソプロキシルフマル酸塩またはアデホビルジピボキシルを用いた治療を 48 週間行ったこの無作為化比較試験では,テノホビルのほうがウイルス抑制をもたらす可能性が高かった.しかし,長期療法の耐性パターン,リスク,有益性を評価するには,追跡期間が十分ではなかった.

  • 駆出率の保持された心不全患者に対するイルベサルタン
    Irbesartan in Patients with Heart Failure and Preserved Ejection Fraction

    多施設共同試験において,駆出率の保持された心不全患者 4,128 例を,イルベサルタン投与群とプラセボ投与群に無作為に割り付け,平均 49.5 ヵ月間追跡した.主要転帰(心不全による死亡または入院)の発生率に,両群間で有意差はみられなかった.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • パーキンソン病に対するレボドパ
    Levodopa for Parkinson's Disease

    62 歳の男性がパーキンソン病のため受診し,レボドパによる治療が推奨されている.レボドパは,脳内でドパミンに代謝される天然のアミノ酸であり,パーキンソン病の治療に用いることのできるもっとも有効な薬剤と考えられている.しかし,何年も投与を続けた場合,運動症状の変動やジスキネジアなどの重篤な有害反応が生じる可能性がある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 状況からの逸脱
    Taken Out of Context

    うつ病,僧帽弁逸脱症,片頭痛の既往のある 25 歳の女性が,自覚的な熱感,びまん性関節痛,それまでの片頭痛とは異なる重度の汎発性頭痛が 3 日間続いたため,救急部を受診した.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • シクロスポリンと足細胞
    Cyclosporine and the Podocyte

    一部の腎症に対するシクロスポリンの治療効果は,リンパ球ではなく足細胞への直接的な作用に基づいている可能性がある.