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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 24, 2008
Vol. 359 No. 4

ORIGINAL ARTICLE

  • 薬剤耐性 HIV-1 感染に対するラルテグラビルと至適基礎療法の併用
    Raltegravir with Optimized Background Therapy for Resistant HIV Infection

    多剤耐性ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染患者の治療選択肢は限られている.ラルテグラビルは,HIV インテグラーゼを阻害する新規分子である.2 つの第 3 相試験において,ラルテグラビルを至適基礎療法としての抗ウイルス療法との併用下で用いたところ,48 週の時点での HIV ウイルス量の抑制においてプラセボにまさることが示された(62.1% 対 32.9%).

  • 薬剤耐性 HIV 感染に対するラルテグラビル療法のサブ解析
    Raltegravir Therapy for Resistant HIV Infection - Subanalyses

    2 つの第 3 相試験のサブグループ解析において,抗レトロウイルス療法失敗のリスクが高い背景を有する患者では,ラルテグラビルのほうが,48 週の時点でのウイルス学的反応がプラセボよりも優れていた.これらの患者には,CD4 細胞数が少ない,ベースラインのヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)RNA 量が多い,遺伝子型・表現型の感受性スコアが好ましくないなどの背景があった.しかし,これらの患者でこれまでに抗ウイルス療法を受けていた患者のうち,ラルテグラビルの投与を受けた 23%が 48 週までにウイルス学的失敗をきたした.

  • 血液中の肺癌細胞における EGFR 変異の検出
    Detection of Mutations in EGFR in Circulating Lung-Cancer Cells

    この研究は,抗体をコーティングしたマイクロポストにより非小細胞肺癌患者の循環血中腫瘍細胞を捕捉する方法について述べている.分離した細胞数と純度は遺伝子型の決定に十分であり,遺伝子特異的治療の指針として適している可能性がある.

  • 進行性肝細胞癌に対するソラフェニブ
    Sorafenib in Advanced Hepatocellular Carcinoma

    進行性肝細胞癌に対する有効な治療法はない.進行性肝細胞癌患者 602 例を対象としたこの無作為化試験では,Raf,血管内皮増殖因子受容体,血小板由来増殖因子受容体に対するマルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブにより,生存期間の中央値がプラセボと比較して 3 ヵ月延長した(10.7 ヵ月 対 7.9 ヵ月,P<0.001).ソラフェニブ群では下痢,体重減少などの有害事象がより多くみられた.

CLINICAL PRACTICE

  • 副甲状腺機能低下症
    Hypoparathyroidism

    58 歳の男性が,臨床検査で血清カルシウム値 6.0 mg/dL(正常範囲 8.5~10.5),アルブミン値 3.9 g/dL,リン値 6.0 mg/dL(正常範囲 2.5~4.5)であることが判明した.既往歴には,長年にわたる難聴以外に特記すべきことはない.頸部の手術歴はなく,症状はみられない.イオン化カルシウム値は 0.75 mmol/L(正常範囲 1.10~1.32)である.今後この症例をどのように評価し,治療すべきであろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 背部痛と肺の腫瘤を有する男性
    A Man with Back Pain and a Mass in the Lung

    26 歳の男性が突然背部痛を発症した.MRI により,T9 椎体の病的骨折が明らかとなった.胸部の X 線写真と CT で左肺上葉に腫瘤を認めた.病変は肺門および縦隔構造にまで及んでいた.診断検査が行われ,管理の意思決定がなされた.