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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 30, 2010
Vol. 363 No. 27

ORIGINAL ARTICLE

  • HIV の曝露前予防
    Preexposure Prophylaxis for HIV

    この研究では,HIV 感染のリスクが高い HIV 血清陰性の男性または性転換女性 2,499 例を対象として,1 日 1 回のエムトリシタビン・テノホビル投与とプラセボ投与を比較する試験が行われた.抗レトロウイルス薬の投与を受けた被験者では,HIV 感染率が 44%低かった.

  • NADPH 酸化酵素の残存と慢性肉芽腫症
    Residual NADPH Oxidase and CGD

    慢性肉芽腫症患者の生存は NADPH 酸化酵素の活性レベルと関連しており,これは変異遺伝子上の変異部位と相関している.NADPH 酸化酵素の活性を評価することで,すでに報告されているこの疾患の臨床像よりも強力な予後因子が得られる.

  • うつ病と慢性疾患に対する共同ケア
    Collaborative Care for Depression and Chronic Illnesses

    この試験では,専門医の指導を受けた看護師がガイドラインに基づく管理を提供することで,通常のケアを行った場合と比べて,うつ病と,糖尿病または冠動脈疾患あるいはその両方を有する患者の健康転帰が改善した.

BRIEF REPORT

  • 鹿猟師のパラポックスウイルス感染
    Collaborative Care for Depression and Chronic Illnesses

    2 人の鹿猟師が,オジロジカの解体作業を行った数週間後,指に青紫色の小結節が生じて受診した.電子顕微鏡検査で,パラポックスウイルス属を思わせる卵型のビリオンが認められた.DNA 配列解析で,めずらしいパラポックスウイルスが原因であることが示唆された.

  • ホモ接合型 BUB1B 変異と消化管腫瘍
    Homozygous BUB1B Mutation and GI Neoplasia

    BUB1B 変異を有する男性に,複数の消化管ポリープと胃・大腸の異数体腫瘍が発現した.紡錘体形成チェックポイントは細胞分裂で生じる各娘細胞に正しい数の染色体が入るようにする機構であり,これに影響を及ぼす異常はよくあるタイプの癌に関与している可能性がある.

PERSPECTIVE

  • 睡眠不足と待期的外科手術
    Sleep Deprivation and Elective Surgical Procedures

    計画的待期的手術は,医師の睡眠不足の悪影響を減らして患者の安全性の向上を図る方針に従いうる診療領域の一つである.このような方針では,執刀医が睡眠不足の場合,術前にインフォームドコンセントを取り直すことから始まる.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE VIDEO

  • ジフェンヒドラミン中毒による眼球クローヌス
    Opsoclonus Due to Diphenhydramine Poisoning

    ジフェンヒドラミン中毒による眼球クローヌス

    20 歳の女性が自殺を企図してジフェンヒドラミン 5 g を摂取し,2 時間後,病院で評価を受けた.女性は全身発作を,病院に向かう途中で 1 回,救急部でさらに数回起こした.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL VIDEO

  • 機内で胸痛を呈した 68 歳の女性
    A 68-Year-Old Woman with Chest Pain during an Airplane Flight

    高血圧と高脂血症の既往を有する 68 歳の女性が,胸骨下胸痛のため入院した.

INTERACTIVE MEDICAL CASE

  • 呼吸困難の意外な原因
    A Crazy Cause of Dyspnea

    呼吸困難の意外な原因

    喘息の既往を有する 18 歳の黒人女性が,発熱,耳痛,胸部右側の鈍い不快感で受診した.胸部の不快感に労作時・呼気時で変化はない.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • ICU における血糖コントロール
    Glycemic Control in the ICU

    ICU でのきわめて厳格な血糖コントロールは,リスクの可能性があり,利益のエビデンスが一致しないことから,著者らは現行のガイドラインに沿った血糖値を目標に,確立されたインスリン注入アルゴリズムを,緊密なモニタリングと併用することを推奨している.