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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 24, 2011
Vol. 364 No. 12
ORIGINAL ARTICLES
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慢性閉塞性肺疾患の増悪に対するチオトロピウムとサルメテロールとの比較
Tiotropium vs. Salmeterol for COPD Exacerbations慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療での重要な目標は増悪の予防である.この試験では,チオトロピウムを用いた治療により,サルメテロールに比べ,COPD の初回増悪までの期間が延長し,増悪回数が減少することがわかった.
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耐糖能異常における糖尿病の予防を目的としたピオグリタゾン
Pioglitazone for Prevention of Diabetes in IGTこの試験では,ピオグリタゾンによって,耐糖能異常を有する成人の 2 型糖尿病リスクを低減できるかどうかが検討された.プラセボと比べて,ピオグリタゾンは耐糖能異常から糖尿病への進行を 72%低下させたが,有意な体重増加と浮腫の発現に関連していた.
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米国の 2 つのコホートにおける水銀曝露と心血管疾患リスク
Mercury and Risk of CVD in Two U.S. Cohorts保存されている足の爪を用いて,心血管イベントと新規に診断された男女とマッチさせた対照で,水銀曝露量を測定した.水銀曝露量が多いほど心血管イベントが高いということはなく,魚の摂取量で補正しても変わらなかった.
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カルバマゼピン誘発性毒性と HLA-B★1502 のスクリーニング
Carbamazepine-Induced Toxic Effects and HLA-B★1502 Screeningこの前向き研究では,HLA-B★1502 対立遺伝子がスティーブンス–ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症に関連することを理由に,カルバマゼピン療法の候補である中国人を対象に HLA-B★1502 対立遺伝子のスクリーニングが行われた.
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欧州人におけるカルバマゼピン誘発性過敏反応
Carbamazepine-Induced Hypersensitivity in EuropeansHLA-B★1502 対立遺伝子と,カルバマゼピン誘発性のスティーブンス–ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死症との強い関連が示されている.欧州人を対象としたこの研究では,異なる HLA 対立遺伝子の HLA-A★3101 が,カルバマゼピン誘発性の多様な反応に対する感受性の付与に関与していることが示唆されている.
GENOMIC MEDICINE
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薬剤,遺伝子,健康
Drugs, Genes, and Healthこの論文は,薬理遺伝学およびゲノム薬理学に関する最近の進歩を概説し,こうした進歩をいかに薬剤の添付文書に反映させるかについて論じている.
SOUNDING BOARD
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内科の専門細分化
Subspecialization in Internal Medicine過去 75 年間に,内科と外科に多くの専門領域が生まれた.この Sounding Board の記事で,著者らは,内科と外科の専門化と専門細分化の歴史を概説し,社会と医師が直面する問題について枠組みを示している.
CASE RECORDS VIDEO
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持続性低血圧の心エコー検査
Echocardiographic Studies for Evaluation of Persistent Hypotension37 歳の男性が,潮紅と,前失神状態となる低血圧で入院した.同様のエピソードの発現頻度はこの 12 年間で増加した.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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象皮病
Podoconiosis36 歳のエチオピア人男性が,20 年にわたる下腿・足部の皮膚結節,疼痛,浮腫で受診した.男性はそれ以外の点では健康で,農夫として働いていた.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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小児に対する骨内カテーテル留置
Intraosseous Catheter Placement in Children骨内アクセスは,小児に蘇生を施す際の,薬物,晶質液,コロイド,血液製剤の送達手段となる.
CURRENT CONCEPTS VIDEOS
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ポイントオブケア超音波検査診断
Point-of-Care Ultrasonography4 編のビデオで,血管アクセスのためのポイントオブケア超音波診断の基本を示す.外傷の評価に焦点を当て,肺と胸腔の胸膜境界面を画像化し,腹部大動脈を視覚化する.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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潜んでいるもの
Lying Lowこの双方向の特集記事では,間欠的な錯乱で救急部を受診した,88 歳の女性の症例を紹介する.