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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 1, 2012
Vol. 366 No. 9
ORIGINAL ARTICLE
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骨髄線維症に対するルキソリチニブ
Ruxolitinib for Myelofibrosis2 件の前向き無作為化試験により,経口 JAK1/JAK2 阻害薬であるルキソリチニブを投与した骨髄線維症患者において,脾臓の大きさと QOL に対する有意な効果が示された.この薬剤には若干の骨髄毒性作用がある.一方の試験では,全生存に対する効果は認められなかったが,利用可能な最良の治療に割り付けられた患者の 1/3 が,疾患の進行によりルキソリチニブの投与を許可された.もう一方の試験では,ルキソリチニブによる生存率の改善が示された.
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妊娠中のニコチン代替療法
Nicotine-Replacement Therapy in Pregnancyこのプラセボ対照試験では,行動科学的禁煙支援にニコチンパッチを追加しても,禁煙が出産まで継続される割合も,有害な妊娠・分娩転帰が生じる割合も,有意には上昇しなかった.遵守率は低かった.
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重度の外傷性脳損傷に対するアマンタジン
Amantadine for Severe Traumatic Brain Injuryアマンタジンは,植物状態または最小意識状態の患者を対象としたプラセボ対照試験において,機能回復を促進させた.アマンタジンの投与中止後に回復速度は低下し,6 週の時点での機能転帰はアマンタジン群とプラセボ群で同程度であった.
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
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驚くべき低下
A Startling Decline89 歳の男性が,認知機能と人格の変化の評価のため,妻と息子によって救急部に連れてこられた.6 ヵ月前に,男性は金銭の管理とコンピュータ操作に助けを要するようになった.最近の出来事に関する記憶障害があり,自己表現にも困難をきたしていた.
HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS
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米国と欧州連合の医療機器規制
Medical-Device Regulation in the U.S. and E.U.欧州と比較して,米国では一般に,高リスク医療機器に対しより厳密な臨床的検証が求められており,患者が新しい機器を利用する機会は遅延する.しかし,安全性についてはより確実な保証が得られている可能性がある.
PERSPECTIVE
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「患者中心の医療」を定義する
Defining “Patient-Centered Medicine”疾患の科学的理解と「病む」という主観的現象の適切な関係とはどのようなものだろうか? 細分化専門医(subspecialist)と一般医との関係はどうか? 治療(cure)と看護(care)との関係はどうか? こうした議論の中に,「患者中心の医療」という新たなテーマが投げかけられた.
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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鼓室内出血
Hemotympanum78 歳の男性が,5 日前に散歩中に頭部外傷を負い,その後聴覚障害と耳閉感が生じたため受診した.左耳の耳鏡検査で,鼓室内出血を示唆する濃青紫色の鼓膜が認められた.
200TH ANNIVERSARY INTERACTIVE TIMELINE
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喘息治療の重大な進歩,1812~2012 年
Major Advances in the Treatment of Asthma, 1812-20121812 年から現在までの喘息の歴史をたどるこの双方向の年表では,本誌に記録された重大な進歩を網羅し,われわれの考え方や治療法を方向付けた出来事に焦点を当てている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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医療制度改革における州の役割
States' Role in Health Care ReformAlan Weil が,医療費負担適正化法の施行における州の役割について論じている.
BRIEF REPORT VIDEO
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顔面の完全移植後の顔の運動能
Facial Mobility after Full Facial Transplantationこのビデオでは,顔面の完全移植を受けた患者 2 例の顔の運動能を示す.
ANNIVERSARY
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3 つの時代の喘息
Asthma in Three Eras人は数千年ものあいだ,喘息に苦しめられている.過去 200 年間の,喘息に関するわれわれの理解と治療の変化を説明するために,著者らは,現在「喘息」と呼ばれている疾患を呈する,本質的に同一の患者に行った診察の,3 つの架空の報告書を作成する.
TIMELINE, PPT SLIDES