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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 26, 2016
Vol. 374 No. 21

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 中等度リスク集団における降圧
    Blood-Pressure Lowering in an Intermediate-Risk Population

    2×2 要因デザイン試験における比較の 1 つで,ベースラインの平均血圧が 138/82 mmHg であった 12,000 例超を,カンデサルタン+ヒドロクロロチアジド群とプラセボ群に割り付けた.5.6 年の時点で,心血管イベントの発生率に群間で差は認められなかった.

  • 中等度リスク集団におけるコレステロール低下
    Cholesterol Lowering in Intermediate-Risk Persons

    2×2 要因デザイン試験における比較の 1 つで,心血管リスクが中等度の 12,705 例を,ロスバスタチン群とプラセボ群に割り付けた.5.6 年の時点で,ロスバスタチン群では,心血管イベントの発生率がプラセボ群よりも有意に低かった.

  • 一次予防としての降圧とコレステロール低下
    Blood-Pressure and Cholesterol Lowering in Primary Prevention

    2×2 要因デザイン試験において,中等度リスクの 12,705 例を,カンデサルタン+ヒドロクロロチアジドを投与する群とプラセボを投与する群に割り付け,さらにロスバスタチンを投与する群とプラセボを投与する群に割り付けた.5.6 年の時点で,心血管イベントのリスクは,併用療法群のほうが二重プラセボ群よりも有意に低かった.

  • 血友病 A におけるヒト化バイスペシフィック抗体
    Humanized Bispecific Antibody in Hemophilia A

    エミシズマブは,第 VIII 因子の補因子機能を代替するヒト化バイスペシフィック抗体である.第 VIII 因子インヒビター保有例を含む血友病 A の日本人患者を対象とした用量漸増試験において,エミシズマブ投与により出血回数が顕著に減少した.

  • 第 VIII 因子の免疫原性
    Immunogenicity of Factor VIII

    重症血友病 A の男児を対象とした多施設共同無作為化試験で,第 VIII 因子に対する中和抗体の発生率は,遺伝子組換え型第 VIII 因子製剤のほうが血漿由来第 VIII 因子製剤よりも 87%高かった.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 自己免疫疾患の免疫を抑制する
    Suppressing Immunity in Autoimmune Disease

    エフェクター T 細胞の抑制を解除して癌を治療する新たな戦略の研究が大きく前進している.自己免疫疾患を治療するための過剰免疫の抑制については,実地で同じくらい成功しているとはいえない.マウスモデルを用いた最近の研究で,有力な戦略が示されている.

PERSPECTIVE

  • 精確な医療(precision medicine)によって人種の先に行けるか?
    Will Precision Medicine Move Us beyond Race?

    個人が認識している人種は,その地域の祖先と関連がある可能性があるが,個々の患者の遺伝子型や薬剤反応性を予測することはできない.治療決定において,人種はやがて精確な医療(precision medicine)に取って代わられるであろうが,乗り越えなければならない障壁がいくつかある.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • サルモネラ菌(Salmonella enterica)による大動脈炎
    Salmonella enterica Aortitis

    サルモネラ菌(<i>Salmonella enterica</i>)による大動脈炎

    66 歳の男性が,発熱が 1 ヵ月間,嗄声が 4 日間続いたため受診した.体温は 38.7℃であった.末梢血白血球数が増加しており,胸部 X 線にて大動脈弓拡大を認め,気管が右方に偏位していた.

CLINICAL PRACTICE AUDIO

  • 潜因性脳卒中
    Cryptogenic Stroke

    脳梗塞の 1/4 は潜因性である.動脈病変,塞栓症の原因心疾患(とくに低負荷の潜在性心房細動),凝固障害の評価などの研究が進められている.

NEJM QUICK TAKE

  • 血友病の新規治療
    A Novel Hemophilia Therapy

    血友病の新規治療

    重症血友病 A の治療は第 VIII 因子を静脈内投与することが多い. ただ,静脈内投与は負担が大きく,患者の約 30%に抗体が発生する.第 VIII 因子の機能を代替するエミシズマブは,このような問題を軽減させられるであろうか? 最新の研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 腫瘍領域の試験を再考する
    Rethinking Oncology Trials

    Alice Shaw が,有望な抗腫瘍薬の開発を加速させる新たなモデルについて論じている.