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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 31, 2019
Vol. 381 No. 18
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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1 型糖尿病に対するクローズドループコントロール
Closed-Loop Control in Type 1 Diabetesインスリンの送達を自動化するクローズドループシステムにより,1 型糖尿病患者の血糖転帰が改善する可能性がある.1 型糖尿病患者を対象とした 6 ヵ月間の無作為化多施設共同試験で,クローズドロープシステムを使用した患者は,センサー付きインスリンポンプを使用した患者よりも血糖値が目標範囲内であった時間の割合が高かった.
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進行性間質性肺疾患に対するニンテダニブ
Nintedanib in Progressive Interstitial Lung Disease進行性間質性肺疾患患者(62%に CT で通常型間質性肺炎 [UIP] のパターンが認められた)のうち,ニンテダニブの投与を受けた患者では,プラセボの投与を受けた患者よりも 52 週の時点での努力肺活量の年間低下率が小さかった.
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再発または難治性の FLT3 変異陽性急性骨髄性白血病に対するギルテリチニブ
Gilteritinib in Relapsed or Refractory FLT3-Mutated AMLFLT3 変異陽性の再発または難治性の急性骨髄性白血病患者に対する選択的 FLT3 キナーゼ阻害薬ギルテリチニブの経口投与により,全生存期間の中央値は 9.3 ヵ月(標準的な化学療法では 5.6 ヵ月)となり,完全または部分的な血液学的回復を伴う完全寛解が得られた患者の割合は 34.0%(同 15.3%)となった.
SPECIAL ARTICLE
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外科レジデントにおける不当な扱いとバーンアウト
Mistreatment and Burnout among Surgical Residents外科レジデント 7,409 人を対象とした全国調査で,32%が自認する性に基づく差別を,32%が暴言または暴力を,10%がセクシュアルハラスメントを,38%がバーンアウトの症状を報告した.不当な扱いの報告頻度は女性レジデントのほうが高く,不当な扱いを報告したレジデントのほうがバーンアウトの症状が多くみられた.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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黄疸を呈する男児
A Boy with Jaundice16 歳の男児が,倦怠感,腹部痙攣,黄疸のため秋に入院した.腹部超音波検査で脾腫が認められた.末梢血中に異型リンパ球が認められ,エプスタイン・バー(EB)ウイルス検査は陰性であった.診断のための検査が追加で行われ,診断が下された.
CORRESPONDENCE
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電子たばこ吸入(vaping)による肺疾患のリアルタイムでの監視
Real-Time Surveillance of Vaping-Induced Pulmonary Diseaseこの報告では,電子たばこに関連した重症肺疾患症例が急増していることを証明し,ニュースアグリゲーターによるネット情報,目撃者の報告,公的な警告を収集している.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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カテーテル挿入後の紫色尿
Purple Urine after Catheterization70 歳の女性が,急性期脳卒中での入院中に,尿道カテーテルを留置された.10 日後,紫色の尿が認められた.
REVIEW ARTICLE
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統合失調症
Schizophrenia統合失調症には,複数の神経化学的経路と脳回路が関与している.治療は急性精神病症状の緩和と再発の抑制が目標とされる.この総説では,心理社会的介入の使用と,治療薬の作用で生じる急性・遅発性の運動障害とメタボリックシンドロームの管理についても論じている.
NEJM QUICK TAKE
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1 型糖尿病における血糖転帰を改善する
Improving Glycemic Outcomes in Type 1 Diabetes治療の進歩にもかかわらず,1 型糖尿病患者で良好な血糖転帰を得ることは依然として困難である.インスリンの送達を自動化するクローズドループシステム(「人工膵臓」)の使用により,正常に近い血糖値を達成できる可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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精神医学の研究と研修を再考する
Rethinking Psychiatric Research and TrainingCaleb Gardner が,精神医学で生物学的知識にますます焦点が当てられていることの限界について論じている.