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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 12, 2020
Vol. 383 No. 20

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 虫垂炎に対する抗菌薬と虫垂切除術との比較
    Antibiotics vs. Appendectomy for Appendicitis

    虫垂炎患者を対象に抗菌薬療法と虫垂切除術とを比較する無作為化試験で,EQ-5D スコアに基づくと,抗菌薬は虫垂切除術に対して非劣性を示した.抗菌薬群では 10 例に約 3 例が 90 日の時点までに虫垂切除術を受け,合併症の発症率は抗菌薬群のほうが高く,とくに虫垂結石の保有者で高かった.

  • SARS-CoV-2 ワクチン候補の免疫原性
    Immunogenicity of a Candidate SARS-CoV-2 Vaccine

    SARS-CoV-2 の mRNA をベースとした,同ウイルスのスパイク蛋白をコードする新しいワクチンを健康な成人ボランティアに 2 回接種したところ,高力価のウイルス中和抗体が誘導された.ウイルス特異的 T 細胞応答も誘導された.暫定的な知見として,1 回の注射あたりの用量は 100μg で免疫応答を最大化し,ワクチンの副反応を最小化することが示された.

  • インドにおけるロタウイルスワクチン接種後の腸重積
    Intussusception after Rotavirus Vaccination in India

    インドで製造された経口ロタウイルスワクチン(Rotavac)を接種したインドの乳児における腸重積のリスクに関する市販後調査研究で,自己対照症例シリーズ解析と症例対照解析のいずれにおいても,用量にかかわらず接種後にリスク期間中の腸重積のリスクの増加は認められなかった.

  • アジスロマイシンの集団配布後に生じる抗菌薬耐性
    Antibiotic Resistance after Mass Azithromycin Distribution

    ニジェールの村落が,生後 1~59 ヵ月の小児にアジスロマイシンを 6 ヵ月ごとに 4 年間提供する群と,プラセボを提供する群に無作為に割り付けられた.36 ヵ月時と 48 ヵ月時に採取された便検体から,抗菌薬耐性の頻度は,アジスロマイシンを配布された村落に居住する児のほうがプラセボを配布された村落に居住する児よりも高いことが示された.

SPECIAL ARTICLE

  • 臨床的悪化のリスクの自動警告
    Automated Alerts for Risk of Clinical Deterioration

    著者らは,電子診療録のデータを用いて臨床的悪化のリスクが高い入院患者を同定する,妥当性の確認されたモデルを使用した.高リスク患者の看護師が診療録を再検討して遠隔モニタリングを行い,モニタリング結果が院内急変対応チームに連絡される介入は,30 日死亡率の低下に関連した.

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 十二指腸偽メラノーシス
    Pseudomelanosis Duodeni

    83 歳の男性が食道閉塞を訴えて受診した.詰まった食物を除去するために行った内視鏡検査で,十二指腸粘膜に黒色の斑点状の色素沈着も認められた.これは十二指腸偽メラノーシスに一致する所見である.

Videos, Images, and Multimedia

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 経皮的気管切開術
    Percutaneous Tracheostomy

    経皮的気管切開術

    気管切開孔は外科的に作られた気道であり,呼吸管または気管切開チューブによって開存を保っている.この動画では,Covid-19 患者を含め,重度の呼吸窮迫状態の経過中に気管切開が必要となりうる患者のベッドサイドで実施されることのある経皮的気管切開術を実演する.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 1 型糖尿病と鈍麻を有する女性
    A Woman with Type 1 Diabetes Mellitus and Obtundation

    1 型糖尿病と鈍麻を有する女性

    1 型糖尿病を有し,2 年前から認知機能低下がみられる 59 歳の女性が鈍麻を訴えて受診した.T2 強調画像で脳に広範な対称性の低信号,磁化率強調画像で左右大脳半球の大脳基底核,視床,歯状核,皮質表面に異常な磁気感受性信号が認められた.診断のための検査が行われた.

REVIEW ARTICLE

  • 胃食道逆流症と食道運動異常症
    GERD and Esophageal Motility Disorders

    胃食道逆流症と食道運動異常症

    食道運動異常症と胃食道逆流症の頻度は高く,さまざまな症状を引き起こし,QOL を損なう.神経と筋肉に基づく機序が下部食道括約筋の機能変化に関与しており,過剰に弛緩または収縮した場合に問題が生じる.診断と治療の向上により,これらの疾患の管理は改善した.

NEJM QUICK TAKE

  • 虫垂炎を治療する
    Treating Appendicitis

    抗菌薬の投与で虫垂炎治療が成功することは 60 年以上前に報告されているが,無作為化試験のデータが不足していたため,つい最近の 2014 年まで,米国では虫垂炎患者の 95%超が虫垂切除術を受けていた.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 収監された人々でワクチンの試験を行う
    Testing Vaccines in Incarcerated Populations

    収監された人々でワクチンの試験を行う

    Holly Taylor が,刑務所で Covid-19 ワクチンの研究を実施することに伴う倫理的問題について論じている.