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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

December 24, 2020
Vol. 383 No. 26

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • パーキンソン病に対する超音波視床下核破壊術
    Ultrasound Subthalamotomy for Parkinson’s Disease

    40 例を対象とした無作為化偽処置対照試験で,集束超音波により,視床下核の片側に治療的病変が作成された.4 ヵ月の時点で,運動能力は実治療群のほうが良好であった.12 例に神経障害が認められたが,その多くは 12 ヵ月の時点までに消失した.

  • 早期早産に対する出産前のデキサメタゾン
    Antenatal Dexamethasone for Early Preterm Birth

    資源の乏しい国で早期早産リスクのある女性を対象に行われた多国間無作為化試験で,新生児死亡のリスク,および死産または新生児死亡のリスクは,出産前にデキサメタゾンの投与を受けた女性が,プラセボの投与を受けた女性よりも有意に低かった.また,デキサメタゾンは母体の細菌感染の可能性に関して非劣性であった.

  • 急性骨髄性白血病に対する経口アザシチジン維持療法
    Oral Azacitidine Maintenance Therapy for AML

    比較的高齢の急性骨髄性白血病患者が,強化化学療法後,28 日サイクルで経口アザシチジン(CC-486)を 14 日間連日投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた.CC-486 は,無再発生存期間および全生存期間の有意な延長と関連し,消化器系の副作用が一部に認められたものの,QOL は維持された.

  • 末梢動脈疾患に対するパクリタキセルコーティングデバイス
    Paclitaxel-Coated Devices in Peripheral Artery Disease

    末梢動脈疾患患者が,パクリタキセルコーティングデバイスによる血管内インターベンションを受ける群と非コーティングデバイスによる血管内インターベンションを受ける群に無作為に割り付けられた.計画外の中間解析では,全死因死亡率に群間で有意差は認められなかった.

  • 妊娠中のてんかん発作の頻度
    Seizure Frequency during Pregnancy

    てんかんを有する女性を対象とした前向き研究で,発作の発生率は,妊娠の有無にかかわらず同様の期間で同程度であった.妊娠女性では,妊娠中の抗てんかん薬の用量変更の頻度が非妊娠女性より高かった.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 頭痛と Covid-19 を有する男性
    A Man with Headache and Covid-19

    24 歳の男性が,3 週間続く頭痛と SARS-CoV-2 検査陽性で入院した.MRI で尾状核と被殻に複数の小さな高信号病変が認められた.腰椎穿刺で,初圧は 55 cmH2O を超え,髄液中の白血球数は 108/μL であった.診断のための検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 脈拍の確認中に音楽を聴く
    Hearing Music while Checking a Pulse

    脈拍の確認中に音楽を聴く

    両側股関節全置換術の既往がある 65 歳の男性が,転倒による股関節脱臼で受診した.足の脈拍を評価するために携帯型ドプラ装置のプローブを足背動脈に当てると,プローブが脈拍のほかに音楽を拾った.その様子を動画で紹介する.

REVIEW ARTICLE

  • エストロゲン受容体陽性乳癌
    Estrogen Receptor–Positive Breast Cancer

    エストロゲン受容体陽性乳癌

    エストロゲン受容体陽性 HER2 陰性乳癌は,乳癌全体の約 70%を占める不均一な疾患である.抗エストロゲン療法は全身療法の基礎であり,その有効性はグレード,Ki-67 標識率,プロゲステロン受容体の発現などの因子によって決まる.

QUICK TAKE

  • パーキンソン病の運動症状を治療する
    Treating Motor Features in Parkinson’s Disease

    パーキンソン病の運動症状を治療する

    パーキンソン病にはいくつかの薬物療法が利用可能であるが,振戦や運動合併症など治療抵抗性の運動症状によって,多くの患者の QOL が損なわれている.対照群を設定しない研究の結果から,集束超音波視床下核破壊術によって,そのような症状を減らすことができる可能性が示唆されてきた.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 学ばせてもらうことと感謝
    Learning and Gratitude

    学ばせてもらうことと感謝

    Raphael Rush が,研修医が自分の体で学ぶことを患者が許可するときの同意と,その患者からの「贈り物」について論じている.