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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 13, 2022
Vol. 386 No. 2

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 退役軍人における mRNA ワクチンの有効性
    Efficacy of mRNA Vaccines in the VA

    440,000 人近い退役軍人が含まれる観察研究で,BNT162b2 ワクチンと mRNA-1273 ワクチンのいずれも,感染,入院,Covid-19 による死亡の予防に非常に有効であった.感染リスクは,mRNA-1273 ワクチンのほうが BNT162b2 ワクチンよりも約 21%低かった.追跡期間にはアルファ株優勢期間,デルタ株優勢期間が含まれた.

  • ニューヨーク州における Covid-19 ワクチンの有効性
    Covid-19 Vaccine Effectiveness in New York State

    BNT162b2 ワクチン,mRNA-1273 ワクチン,Ad26.COV2.S ワクチンの,2021 年 5 月~8 月における有効性の評価が行われた.初期の防御効果は高かったが,デルタ株が急増し,公衆衛生上の対策が緩和された後にわずかに減衰した.入院に対する防御効果は高いまま持続した.

  • 冠血流予備量比ガイド下 PCI と冠動脈バイパス術との比較
    FFR-Guided PCI as Compared with Coronary Bypass Surgery

    3 枝病変患者を対象とした試験で,冠血流予備量比(FFR)の測定結果に基づいて行う経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は,1 年の時点での死亡,心筋梗塞,脳卒中,再血行再建術の複合エンドポイントに関して,冠動脈バイパス術(CABG)に対する非劣性を示さなかった.この複合エンドポイントの発生率は,FFR ガイド下 PCI に割り付けられた患者のほうが,CABG に割り付けられた患者よりも高かった.

  • 短報:ベクターと関連しない LentiGlobin 療法後の急性骨髄性白血病
    Brief Report: AML after LentiGlobin Therapy Unrelated to the Vector

    鎌状赤血球症の女性が,βグロビン遺伝子を有するレンチウイルスベクターである LentiGlobin による治療から 5 年半後に,急性骨髄性白血病を発症した.この治療では,βグロビンの発現は持続しなかった.白血病を引き起こさないと考えられている遺伝子のイントロンでレンチウイルスの挿入が検出され,遺伝子発現に明らかな変化はなかった.アルキル化薬による毒性と関連するその他の遺伝子異常が認められた.

SPECIAL ARTICLE

  • 大麻の合法化と交通事故で負傷した運転者の THC 濃度
    Cannabis Legalization and THC Levels in Injured Drivers

    大麻の合法化前と合法化後とで,衝突事故で負傷し,ブリティッシュコロンビア州の外傷センターで治療された運転者を評価した研究で,テトラヒドロカンナビノール(THC)検査陽性割合は,合法化後(17.9%)のほうが,合法化前(9.2%)よりもかなり高かった.アルコール検査陽性割合にはほとんど変化がなかった.

REVIEW ARTICLE

  • 重症喘息に対する生物学的製剤治療
    Biologic Therapies for Severe Asthma

    重症喘息に対する生物学的製剤治療

    重症喘息の患者は,QOL の低下,器質的な気道閉塞,入院,死亡のリスクが高い.疾病負担を減らすために,生物学的製剤が必要になる可能性がある.この総説では,重症喘息に対する生物学的製剤の作用機序,有効性,安全性について論じている.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 運動ニューロン疾患を有し睡眠中に奇妙な行動を呈する男性
    A Man with Motor Neuron Disease and Odd Behaviors during Sleep

    進行性の運動ニューロン疾患を有する 67 歳の男性が,夢の行動化,日中の眠気,睡眠検査で無呼吸が検出されたため,睡眠クリニックで評価を受けた.4 ヵ月前,皿を洗っている最中に眠ってしまったことで転倒し,脊椎 C1 の不安定型骨折を受傷した.診断のための検査が行われた.

EDITORIAL

  • 『NEJM Evidence』 ̶ NEJM Group の 新しいジャーナル
    NEJM Evidence — New Journal in the NEJM Group Family

    『NEJM Evidence』 ̶ NEJM Group の 新しいジャーナル

    『NEJM Evidence』の刊行をお知らせします.月 1 回,オンラインのみで発行される査読付きの総合医学ジャーナルで,オリジナルの研究のほか,臨床試験のデザインと方法の理解に焦点を当てた論文を掲載し,強固なエビデンスに裏付けられていないがよく行われている医療行為に注目し,臨床医が日々遭遇する臨床上のジレンマに取り組む.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 外陰扁平上皮癌
    Vulvar Squamous-Cell Carcinoma

    45 歳の女性が,外陰部痛,瘙痒,疣贅様の病変を訴えて,腟鏡診クリニックを受診した.生検標本で,ヒトパピローマウイルスに関連した外陰扁平上皮癌が認められた.

NEJM QUICK TAKE

  • mRNA Covid-19 ワクチンの有効性の比較
    Comparative Effectiveness of mRNA Covid-19 Vaccines

    mRNA Covid-19 ワクチンの有効性の比較

    mRNA を用いた BNT162b2 ワクチンと mRNA-1273 ワクチンは Covid-19 に対して高い有効性を示すが,これら 2 つのワクチンを直接比較したデータはない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 冠血流予備量比ガイド下 PCI と冠動脈バイパス術との比較
    FFR-Guided PCI vs. Coronary Bypass Surgery

    3 枝病変に対して,冠血流予備量比(FFR)ガイド下経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)では,どちらが転帰が良好であるかは明らかになっていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 大麻の合法化と交通事故で負傷した運転者におけるテトラヒドロカンナビノール
    Cannabis Legalization and THC in Injured Drivers

    大麻の合法化と交通事故で負傷した運転者におけるテトラヒドロカンナビノール

    カナダでは,嗜好品としての大麻の使用が 2018 年に合法化された.大麻を使用し正常な機能が損なわれた状態での運転に,この合法化が及ぼす影響は十分に検討されていない.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 卒後医学教育にとっての Covid-19 の教訓
    Covid’s Lessons for GME

    卒後医学教育にとっての Covid-19 の教訓

    Debra Weinstein が,パンデミックが卒後医学教育に及ぼした影響と,それらから何を学ぶことができるかについて論じている.