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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 17, 2022
Vol. 386 No. 7

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • 鎌状赤血球症に対する遺伝子治療
    Gene Therapy for Sickle Cell Disease

    鎌状赤血球症に対する遺伝子治療の第 1・2 相試験の結果に関する事前に規定していない中間解析で,評価しえた 25 例において重度の血管閉塞イベントが消失したことが示されている.これらの患者は,登録前の 24 ヵ月間に重度の血管閉塞イベントが中央値で年間 3.5 件発生していた.

  • 中悪性度 B 細胞リンパ腫に対するチサゲンレクルユーセル
    Tisagenlecleucel in Aggressive B-Cell Lymphoma

    治療に抵抗性を示したか,早期に再発した中悪性度 B 細胞リンパ腫患者において,CD19 特異的 CAR-T 細胞療法チサゲンレクルユーセルと,サルベージ化学療法後に行う高用量化学療法および自家造血幹細胞移植とを比較した無作為化試験で,CAR-T 細胞による無イベント生存期間の延長は示されなかった.

  • 再発 B 細胞リンパ腫に対する CAR-T 細胞療法
    CAR-T-Cell Therapy for Relapsed B-Cell Lymphoma

    再発・治療抵抗性大細胞型 B 細胞リンパ腫患者を対象とした試験で,CAR-T 細胞療法アキシカブタゲン シロルユーセルにより,標準的なサルベージ化学療法(反応を示した患者には,その後大量化学療法と自家幹細胞移植を実施)と比較して無イベント生存期間が有意に延長した.高グレードの毒性の頻度は高かったが,大部分の患者が回復した.

  • RS ウイルスを治療するための EDP-938
    EDP-938 to Treat Respiratory Syncytial Virus

    RS ウイルス(RSV)感染には効果的な治療法が必要である.EDP-938 は,RSV の非融合複製阻害薬であり,このウイルスの核蛋白質を阻害する.ヒト RSV-A 感染モデルで,EDP-938 が RSV 感染によるウイルス量,症状,粘液産生を減少させることが示された.

REVIEW ARTICLE

  • 電気痙攣療法に関する最新情報
    Update on Electroconvulsive Therapy

    電気痙攣療法(ECT)はいくつかの疾患,とくに重症または治療抵抗性のうつ病に有効であり,速やかな反応が得られるが,スティグマがその使用を阻んでいる.機序は不明であるが,その有効性には痙攣発作が不可欠とされる.記憶に対する効果が顕著であるものの,通常は一過性である.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 右上肢の脱力が急速に進行し転倒を繰り返す女性
    A Woman with Rapidly Progressive Weakness in the Right Arm and Recurrent Falls

    右上肢の脱力が急速に進行し転倒を繰り返す女性

    麻疹脳炎の既往歴を有する 65 歳の女性が,右上肢の脱力が急速に進行し,転倒を繰り返すため評価を受けた.頭部 MRI で,左前頭葉と左頭頂葉に制限拡散,高信号域が認められた.女性の父親は,右手と右下肢に脱力が出現した 7 ヵ月後に死亡している.診断のための検査が行われた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 血友病 A における咽喉頭血腫
    Pharyngolaryngeal Hematomas in Hemophilia A

    血友病 A における咽喉頭血腫

    血友病 A を有する 18 歳の男性が,喉の不快感と,最近出現した頸部血腫を訴えて受診した.身体所見で前頸部に斑状出血が確認され,喉頭鏡で複数の咽喉頭血腫が認められた.遺伝子組換え第 VIII 因子を投与すると,症状と血腫は消失した.

NEJM QUICK TAKE

  • 鎌状赤血球症に対する LentiGlobin
    LentiGlobin for Sickle Cell Disease

    鎌状赤血球症に対する LentiGlobin

    鎌状赤血球症患者は血管閉塞イベントを起こすことが多く,合併症と早期死亡のリスクを伴う.自家幹細胞を用いた遺伝子治療が有望である可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 中悪性度 B 細胞リンパ腫に対するチサゲンレクルユーセルによる二次治療
    Second-Line Tisagenlecleucel in Aggressive B-Cell Lymphoma

    治療に抵抗性を示したか,早期に再発した中悪性度 B 細胞リンパ腫に対しては,有効な二次治療が必要とされている.CAR-T 細胞療法チサゲンレクルユーセルは可能性のある選択肢の 1 つである.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 再発・治療抵抗性大細胞型 B 細胞 リンパ腫に対する Axi-cel
    Axi-cel for Relapsed or Refractory Large B-Cell Lymphoma

    再発・治療抵抗性大細胞型 B 細胞 リンパ腫に対する Axi-cel

    一次化学免疫療法後に再発したか,一次化学免疫療法に抵抗性を示した大細胞型 B 細胞リンパ腫患者の予後は不良である.CAR-T 細胞治療薬であるアキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel)を用いた二次治療により,転帰が改善する可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 医療の安全性とレジリエンシー
    Health Care Safety and Resiliency

    医療の安全性とレジリエンシー

    Lee Fleisher が,危機の際に高い安全性レベルを維持することのできる,レジリエンスのある医療提供システムの構築について論じている.