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April 30, 1998 Vol. 338 No. 18

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転移性腎細胞癌における組換え型ヒトインターロイキン-2,組換え型ヒトインターフェロンα-2a,または併用
RECOMBINANT HUMAN INTERLEUKIN-2, RECOMBINANT HUMAN INTERFERON ALFA-2a, OR BOTH IN METASTATIC RENAL-CELL CARCINOMA

S. NEGRIER AND OTHERS

背景

組換え型ヒトインターロイキン 2(アルデスロイキン)と組換え型ヒトインターフェロン α は,一部の転移性腎細胞癌患者に顕著な腫瘍退縮をもたらすことができる.多施設無作為臨床試験を実施して,各サイトカインの効果を単独そして併用して調べ,この治療にもっとも適している患者を特定した.

方 法

転移性腎細胞癌の患者 425 人を無作為割付けして,インターロイキン-2 の持続的静脈内注入,インターフェロン α-2a の皮下注射,またはその双方を行った.主な転帰尺度は奏効率であった; 第二義的転帰は無症候生存率および総生存率であった.反応および急速な進行の予測因子を,多変量解析によって確認した.

結 果

奏効率は,インターロイキン-2 投与群,インターフェロン α-2a 投与群,インターロイキン-2+インターフェロン α-2a 投与群について,それぞれ 6.5%,7.5%,18.6%であった(p<0.01).1 年では,無症候生存率はそれぞれ,15%,12%,20%であった(p=0.01).3 群の総生存率に有意差を認めなかった.治療毒性は,インターロイキン-2 投与群の患者に,インターフェロンα-2a 投与群の患者よりも多く認められた.治療に対する反応は,転移が単一臓器であることと,併用治療を受けていることに関連した.疾患が急速に進行する確率は,転移部位が少なくとも 2 個であり,肝転移を有し,そして原発腫瘍の診断から転移の発現までの期間が 1 年以内の患者では,少なくとも 70%であった.

結 論

サイトカインは,転移性腎細胞癌の少数の患者に活性を示す.サイトカインの併用によって得られるより高い奏効率とより長い無症候生存率は,そのような治療の毒性とバランスをとらなければならない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 1272 - 8. )